スモモもウメもモモのうち? 完熟梅を食べたら味にびっくり!?え、梅ってこんな味だったんだ!!

今年、2025年も梅仕事の時期になりました。今年はできるだけ完熟に近い梅を使った梅干しづくりと、傷んだ梅を用いた梅ジャムづくりに挑戦したいと思い、梅を買いに行きました。

梅干しを作るための完熟梅は食べられる?

過去数回、梅干しを作る中で感じたことは、やはり梅干しを作るには完熟梅を使用した方が良いということ。青みがかった梅は渋味、苦味が強く、そのままでは食用に適さず、梅干しにしてもやはり渋味、苦味が残ることが多いからです。

2023年の段階で、天日干しをすればその渋味、苦味がかなり軽減されることはわかりました。しかし、いまだ私は完熟梅による梅干しづくりをしておらず、2025年こそはと思い続けていたのでした。

そして今回、完熟梅を手に入れたのですが、そもそも梅って完熟していれば生で食べることもできるのでしょうか。実際に完熟梅を食べてみました

そもそも台湾では青梅の利用が主流

購入した半熟梅(2025年4月ごろ)
購入した半熟梅(2025年4月ごろ)

私は台湾に住んでいます。台湾も梅の実を使った加工食品が多くあり、この時期、市場には袋詰めの梅が並びます。

時期にもよりますが、3月末ごろから青々とした青梅が並び、大体4月10日ごろ(清明節が終わるころ)から黄色交じりの梅が並び始めます。

渋味、苦味のある青梅を台湾では本加工前に殺青と呼ばれる作業をすることで渋味、苦味を抜き、おいしく食べられるように変化させます。

この殺青をした梅は確かにそのまま青梅を使うよりも渋味、苦味が抜けているのですが、私が使いたかったのはあくまでも完熟梅で、今年、2025年はできるだけ成熟した梅を入手し、追熟することとしました。

完熟梅は売られていない?

追熟させた梅の実(2025年4月ごろ)
追熟させた梅の実(2025年4月ごろ)

完熟梅が市場に並んでいるのは見たことがありません。完熟梅は日持ちもしないし、なかなか販売管理が難しいのだと思います。

完熟梅が欲しい場合は追熟すれば良いのですが、カチカチの青々とした青梅から追熟させると時間がかかる上に、水分が抜けてシワシワになっていくことが多かったです。

そのため、できるだけ成熟した梅を購入し、そこから追熟することで理想的な梅を手に入れることができると考えました。

なお、梅の実がフルーツなのであれば果物屋さんで売られていても良いようなものですが、近所の市場では野菜売り場でよく梅を見かけます。それか道端のトラックです。やはり一般のフルーツとは違うようです。

でも、今回も結局完熟梅を買うことはかないませんでした。追熟で完熟梅を手に入れます!

梅干しは本当に完熟梅じゃないとダメなの?

これまで、青々とした青梅を購入してきて、それを可能な限り追熟し、まだ青さの残る状態から梅干しを作ってきました。

青々とした青梅を追熟させた状態と言っても、成熟度はおそらく50~60%程度だったのではないかと思います。

そんな半熟の梅を使って梅干しを作ってきましたが、完熟ではない梅ではやはり渋味、苦味があり、食用に適さない梅干しになることが多かったです。

そんな渋味、苦味のある梅干しは、しっかり日光に当てて天日干しすることで比較的渋味、苦味が抜けることに気が付き、今までは半熟梅から梅漬けを作り、その梅漬けを天日干しして梅干しとしてきました。一応食べられるレベルの梅干しになっていました。

しかし、点数をつけるとするならば、近年は60点程度だったのではないかと思います。やはり青梅や半熟梅を使うとどこか違うのです。

YouTubeなどで梅干しの作り方を公開している方の動画を見ると、天日干しする前の梅漬けの段階ですでに食べられるレベルになっているのだとか。我が家の半熟梅の梅干しは梅漬け状態では渋くて、苦くて、食べられたものではありませんでした。

梅の果実は果物屋さんでは売られていませんが、一応フルーツです。梅の実はまごうことなきフルーツです。熟せば良い香りもしてきます。天日干しする前の段階で食べられるのなら、塩漬けする前の梅も完熟していれば食べられるのではないかと思いました。

渋味、苦味は熟すほどに抜けていく

熟した梅と未熟な梅
未熟な梅(左)と熟した梅(右)

2025年の今年、比較的成熟した梅をさらに追熟させたことで、完熟に近い梅を手に入れることができ、漬ける前の状態を比較してみました。

青梅にはアミグダリンという毒性物質が含まれます。アミグダリン自体に渋味や苦味があるのかはわかりませんが、少なくとも青梅は渋く、苦いです。生食には適しておらず、青梅の生食は健康に害があると考えられるため、絶対にしてはいけません

梅の渋味、苦味は、熟せば熟すほど抜けていきます。そのため、まだ青さの残る梅よりも黄色くなった梅の方が渋味、苦味は少なく、さらに熟すほどに皮と果肉が柔らかくなります

理論上、熟すほどに渋味、苦味が抜けていくことは分かったのですが、そもそも梅の実は果実です。果実はフルーツとも言います。しかし、完熟した梅の実ですら、フルーツとして、甘味のフルーツとしての販売はありません。なぜなのか。目の前にある完熟梅を食べる衝動を抑えられませんでした。だって、フルーツなんですもの。

初めて食べた完熟梅(未加工)の味は・・・

完熟してかなり柔らかくなった梅の実を食べてみました。渋味、苦味はほとんどなく、かなりフルーティーで、それこそプラム(すもも)に似た風味を持った果実でした。

しかし、プラム(すもも)と違うのは、梅の実には甘みがほとんどないこと。梅の実は熟してもほとんど甘みを感じませんでした。

皮の周りには酸味もあります。まさにプラム(すもも)。甘味の非常に弱いプラム(すもも)が梅です。梅は桃やプラム(すもも)と同じバラ科サクラ属の植物で、英語で梅はJapanese Plumと呼ばれることもあるのだそうです。

なるほど、結局熟しているとはいっても、梅に他のプラム(すもも)や桃のような甘味は無いため、加工品として利用されることが多いんですね。

最後に

市場に並ぶ青梅は生食に向きません。加工することで食べることができるようになります。加工以外では熟すことで毒性、渋味、苦味が抜けていきますが、完熟した梅の実は甘味が非常に弱く、結局生食には向いていませんでした。

生の梅の実の状態が青梅なのか、完熟梅なのかで用途が変わります。今回は完熟梅を手に入れたので、初めての完熟梅による梅干しを仕込んでいるところです。出来上がりが楽しみです。

なお、熟しきっていない梅の実は絶対に食べてはいけません。