海外在住の子供に日本語を教える方法

現在私は台湾に住んでいます。台湾在住という状況で、子供にどうやって日本語を教えれば良いのか。しかも子供はママっこ。おいおい、これどうすんの。。。って心の中で叫んでも、何も始まりません。やっぱり子供の日本語教育考えないといけません。

我が子が日本語を話せるようになってほしい!

では、自分の子供の場合、どうすれば良いのでしょうか。せっかくなので日本語を話せるようになってほしい、日本語がわかるようになってほしい、と父としては思うのですが、それが簡単ではないのです。

台湾で日本語を学習する方法

台湾で日本語を学習するにはいくつか方法があると思います。

  • 日本語教室に通う
  • 日本語の家庭教師を雇う
  • 日本人学校に行く
  • 独学

台湾の日本語教室

台湾には日本語教室が豊富にあります。全国規模に教室を展開している「地球村」という外国語教室を筆頭に、各都市に規模の大きなものから個人経営のものまで大小さまざまです。

日本語の家庭教師

台湾には日本人が日本語を教える家庭教師から、台湾人が日本語を教える家庭教師までたくさん存在します。そもそも日本語学習者が非常に多い台湾(平成28年度7,447人)ですから、それを教えようと考える人も多いわけです。その選択肢の一つが家庭教師。実際私の周りにもたくさんいます。

日本人学校に行く

台湾では台北、台中、高雄に日本人学校があります。日本人の子供なら日本人学校を検討するのも良いですね。いわゆるインターナショナルスクールですが、ほかで日本語を学ぶよりもインターナショナルスクールは上達が早い印象があります。

日本語を独学で勉強する

時折、日本語を独学で勉強したという強者に出会うことがあります。漫画やアニメ、ドラマ、ゲームなどを見て、それで学ぶという方が多いですが、YouTubeや生配信を見ながら勉強している人もいます。辞書や教科書も一応持っているという方もいるのではないかと推測しております。

日本人なら誰でも日本語を教えられるわけではない

「日本人なのだから日本語を教えられるでしょ?」と思われる方も多いと思うのですが、「母語が日本語=教えられる」ではないと思っています。私も経験があるのですが、外国人に対する日本語教育は特殊技能だと感じます。

特に「日本語学習者」に対しては、「日本人ならこう言う」ではなく、論理的な説明が求められる場合も多いです。例えば「○○と△△では、○○は日常会話で多く使われ、△△は○○に比べて硬く、かしこまった表現です。さらに○○は主観的で断定的な言い方のため、目上の方に使うには不向きです。つまり、今の状況では△△を使う方が良いです。」と言った具合です。

子供が言葉を覚える過程

子供は私が言う言葉を真似ることが良くあります。例えば「ダメ!」というと「ダメ!」と返されたり。気がついたら本当に「ダメ」な場面で自発的に「ダメ!」と言えるようになっていたり。まず状況があって、その時にパパやママが使っている言葉を真似て、そうやって語彙を増やしていくようです。

また、文法などについては感覚や習慣が日本社会を通して身についていくという感じでしょうか。

改めて子供に日本語を教える

今まで何度となく考え、何度となく挑戦し、そして三日坊主になってしまっていた子供に対する日本語教育。そろそろ本気でやらないと。市販の日本語の教科書、主要日本語教室の日本語教材を見たことがあるのですが、我が子には別の方法で教えたいなと思っています。パパは子供と日本語で話したいのです。

語彙を増やす

日本語を学ぶにあたって、単語を知らないことには何も始まりません。「りんご」「パイナップル」など、身近なものの名前を覚えることは基本中の基本でしょう。まずはこれを優先します。その中で少しずつ動作、形容、助詞の概念、日本語の構造を盛り込んでいきます。

→ 自分で撮影した写真やインターネットの画像検索などを駆使して単語を教える。その過程で「これなーに?」「色は?」「好き?」など、その単語にまつわる話を質問したりしていきます。また、名詞だけではなく、動詞、副詞、形容詞なども適宜盛り込みます。

助詞や文法の感覚を身につける

日本語学習者にとって「助詞」は鬼門の一つとなります。一番わかりやすい理由は、中国語にしたときに、訳語が出てこないことが多いからです。例えば「病院に行く」の中国語は直訳すれば「我(私)去(行く)醫院(病院)」となります(※医者に診てもらう場合は「我(私)去(行く)看醫生(医者に診てもらいに)」の方が多く使われるようにも思います)。

中国語にしたときに訳されない語があまりにも多い。日本語の「という」とか何よ。。。っていう状況に陥ります。ここの感覚を身につけるには訓練が必要です。日本にいるなら普段からその感覚、波の中で生活していますから何とかなる場合も多いと思いますが、海外でその感覚を身につけるのは至難の業です。これは何度も何度も子供に日本語を聞かせ、直してあげる方向で考えています。無口のパパ、がんばらないと!

→ 助詞や文法は「教える」のではなく、会話の中でわざと何度も登場するようにします。例えば「は」。「は」の使い方は多岐にわたりますが、対比の使い方ばかり会話に盛り込むなどです。

正しいアクセント

子供は大人が話している言葉を真似します。そのため大人が発音するように発音します。本当に鏡のようです。これは年齢を重ねれば重ねるほど母語に引っ張られるのか、アクセントの習得が難しくなります。やはり子供のうちからやらないと難しい。大人になってからは論理的に「行かない」はまっすぐ(平板アクセント)なのに、「できない」のアクセントが何故「き」なのかを説明しないと理解が難しい場合もありますし、記憶も難しくなります。子供は「なぜ?」ということを聞かずにそのまま真似することが多いです。

→ 間違ったら何度も言いなおさせるか、会話の中で何度も登場させます。メモしないと難しいですね。

適切な発話表現

台湾の方と日本語で話していると、時折「ああ、中国語をそのまま日本語にしたんだな」という表現をされる方がいます。というか多いです。これ、限界があるとは思うのですが、習慣的に日本人風の受け答えの仕方を知らず、何とか日本語にした感じになってしまうのです。慣用句なんか特にそうです。

「訳す」ことに頼らない日本語力が、本来のバイリンガルには必要なのではないかと思うのです。中国語から訳して話すのではなく、日本語で考え、日本語で発話する。これは会話の瞬発力にもかかわってきます。これは経験でしょうね。習慣化しないといけません。

→ とにかくたくさん子供と話す。子供からも話を引き出す、ということを継続します。反抗期になったらどうしよう、という不安もありますが。

番外編

今はすぐれた教材が多く存在します。台湾にいながらベネッセの教材を取り寄せることもできますし、各社のDVD教材も豊富です。それらを子供に見せるのも良いですね。ドラえもんが登場する教材もあります。※教材は1から10まですべてを日本人が作ったものがおすすめです。

まとめ

考えれば考えるほど、一番重要なのは「子供とたくさん話すこと」ですね。まずはその環境を作らないといけません。そして、その中でダラダラと話すだけではなく、ちゃんと計画性をもって多くの語彙を盛り込み、間違いがちな文法なども修正していかなければなりません。