ある日前触れもなくオタマジャクシを持ち帰った私の家族。そしてあろうことかカエルの水槽で飼うと宣い、実際にカエルに変態したのでそこまでの顛末をまとめました。
目次
オタマジャクシが家に来たので育て始めました
私はしがない台湾在住者。今までの人生では考えもしなかったことが頻繁に起こるのも台湾在住だからこそ(?)。
今回もまた新たな出来事が発生しました。ただ、今回の出来事は日本でも起こりうることでした。
家に帰ってきた家族を玄関で迎えると、何やら水と黒い物体が入った小さな虫かごを持っています。中を覗いてみるとそこにはオタマジャクシが3匹。
まさか…飼うの?そう、そのまさかで、何を思ったのかオタマジャクシを家で育てると宣いだしたのです。
いや、いい、オタマジャクシを家で飼ってもいい、ただ、いつもお世話は私の仕事ではないか、と心の中で思ったのは今回だけではありません。実際、もはやあきらめの境地に達しております。
どこで飼うの?と聞く私に返ってきた返事は「亀の水槽」でした。
亀の水槽でオタマジャクシが飼える?
結論から申し上げると亀の水槽でオタマジャクシを育てるのは絶対にやめた方が良いです。亀の餌としてオタマジャクシを用意しているならまだしも、育てるつもりでオタマジャクシを亀の水槽に入れるのは良くありません。
亀は雑食です。我が家の亀にしても、目の前にあるものをとりあえずかじります。葉っぱもかじるし、水草もぐちゃぐちゃにします。種類にもよりますが、虫だって食べます。
問題はこの虫も食べるということ。動いているものも食べるんです。オタマジャクシって動きますよね。そりゃ食べるでしょ!!亀から見たら餌が泳ぎ回ってるだけ。
YouTubeみたらオタマジャクシを亀の餌にしている動画もありました。そう、オタマジャクシは亀にとって餌以外の何物でもないのです。
だがしかし、多少工夫をすれば、もしかしたら我が家の動きが遅い亀なら共存できるかも?と思ったのも事実。試しに亀とオタマジャクシを一緒に育ててみることにしました。
亀の水槽でオタマジャクシを飼うメリット
亀の水槽でオタマジャクシを飼うことは簡単ではありません。普通、亀に食べられてしまうと思います。
しかし、共存できたなら、亀の水槽は良い点もあるのです。それは、亀の水槽内にある藻の存在です。
毎日毎日亀の水槽をブラシで洗っている場合は別ですが、私のようにそこまではしないで水だけ交換しているようなズボラ飼い主の場合、水槽内には藻が生えまくっていることと思います。
オタマジャクシも基本的には雑食性なのですが、藻のたくさん生えている水槽内なら、オタマジャクシは特段餌を用意しなくても変態してカエルになります。事実、特別な餌は一度も与えませんでしたが無事にカエルになりましたし、オタマジャクシのころに藻に口を近づけてパクパクしている姿も確認してことがあります。
亀の水槽に工夫が必要
通常の亀の水槽にオタマジャクシを入れただけではあっという間に食べられていたことでしょう。というか、最初は3匹いたオタマジャクシですが、そのまま亀の水槽に投入したら3~4日後には2匹になっていました。
ほら、食べられてる。。。いや、原因はわかりません。もしかしたら亀ではなく、鳥さんが来て食べたという可能性も否定できませんし、人知を超えたスピードで変態してどこかに飛び立った可能性も否定できません(?)。
そこで亀の水槽の中で、亀が入り込めないところを複数作ってみました。具体的には亀水槽の中に入れている石の配置を工夫し、絶妙に亀が入り込めない場所を多くしたのです。
そうすることでオタマジャクシは石の裏などに隠れることができ、万が一亀に追われたとしても、そこに逃げ込めば助かるという公算でした。
結果は大成功!2匹はそれからも元気に育っていきました。
亀の水槽は水交換が必要なんよ
亀の水槽はご存じの通り頻繁な水交換が必要です。水交換をしないとてきめんに水が汚れ、悪臭を放ちだします。見た目が悪くなるのもよろしくありませんし、場合によっては近所迷惑にもなり得ます。
そのため、ほぼ毎日水交換をしています。それはオタマジャクシがいても同じです。排水口からオタマジャクシが流れないように注意しながら水を交換していきました。
そもそもオタマジャクシだけで飼育している場合も、結構水が汚れるらしく、やはり水交換は必要になるのだそうです。
上陸するまでのスケジュール
我が家に来たオタマジャクシたちはまだまだ足の生えていない、まさしくオタマジャクシの形状をしたオタマジャクシでした。
そんなオタマジャクシも我が家にやってきてから一週間ぐらいで後ろ足が生え始め、さらに一週間ぐらいで前足も生えました。そして前足が生えた翌日の夜には上陸を開始していました。まとめると以下のスケジュールです。
- 0日目 我が家に来る
- 8日目 後ろ足が生える
- 15日目 前足が生える
- 16日目夜 上陸
我が家のオタマジャクシが変態してカエルになるスケジュールは上記のようなものでした。変化があるのは見ていて楽しく、結局は楽しんでオタマジャクシを育てていました。
なにせかわいい。オタマジャクシも育ててみると可愛いものです。
上陸はリスクがいっぱい
オタマジャクシがカエルになり、水から出て陸地に上がることを上陸と表現しています。この上陸の際、気を付けないといけないことがいくつかあります。
まず、自力で上陸できない場合、死んでしまう可能性があるということ。カエルに変態した後は、陸地での生活に順応するため、陸地に上がれないと死んでしまうことがあるのだそうです。
そこで、ジャンプ力がなくても簡単に陸地に上がれるよう、石の配置を工夫して、簡単に陸地に上がれるようにしていました。
16日目の夜に観察したところ、無事に2匹とも上陸できていました。
しかし、問題はそれだけではありません。なんと、上陸した場所が亀の甲羅干しスペースだったのです。というか、水棲亀の水槽なので陸地はそこぐらいしかありません。
夜見た時、亀は水中にもぐっていました。太陽も出ていませんし、夜に甲羅を干そうとは思わないのでしょう。そのすきを見計らってか、カエルさんたちが甲羅干しスペースに上陸していました。
当初、亀が来たら逃げるだろうぐらいに考えていたのですが、翌朝見たら1匹に減っていました。
ほら、亀はカエルも食べるのよ。それかやはり鳥さんか?自力で壁をよじ登って逃げたのならまだいいのですが、なんとなく亀が食べてしまったのではないかと思っています。
水の中で生活していた時は尻尾があったので、もしかしたら上陸後よりも俊敏に逃げられたのかもしれませんが、上陸後は飛び跳ねるしか逃げる方法がなく、不慣れな動きで亀に捕獲されてしまったのではないかと思っています。
最後に1匹は別水槽へ
1匹になってしまったカエルさん。上陸した状態で亀水槽に居続けるのは危険すぎると判断して別の水槽に移しました。
最後に
オタマジャクシを亀の水槽で育てるのはお勧めしません。なぜなら亀に食べられる可能性があるからです。亀の水槽にある藻はオタマジャクシの餌になるというメリットもあるにはありますが、オタマジャクシ自体を食べられてしまっては元も子もありません。
餌はどうにかするとして、オタマジャクシは亀とは別で育てる方が良いと思います。