冷蔵庫に4ヶ月?! スモモの種を発芽させるために冷蔵庫に長期間放置した結果

昨年(2024年)に食べたスモモの種の発芽に成功しました。今までも何度かスモモの発芽には挑戦してきましたが、発芽自体に失敗したケースもあれば、発芽はするものの、その後枯れてしまったケースもあります。今回はそのリベンジとなります。

スモモの種を発芽させよう!

コツさえつかめれば、スモモの種を発芽させることは難しくありません。

私自身、最初のころはよくわかっていませんでしたが、今はそれなりの確率で発芽させることができています。

スモモの発芽の基本的なこと

そもそもスモモの種は冬を越え、春になると発芽するというのが基本的な発芽スケジュールです。

しかし、当然ながらすべてが発芽するわけではなく、条件がそろった場合にのみ発芽することになります。

そこで、発芽率を高めるためにいろいろと工夫するわけですね。2024年~2025年にかけて、改めてスモモの発芽に挑戦しました!

スモモの発芽は冷蔵庫を利用しよう!

スモモの種は他のサクラ属の桃や梅などの種と同様に、硬い殻に覆われ、冬を越えてから春に発芽します。低温に当たることで休眠状態を打破する休眠打破が起き、春先に発芽する流れです。

この自然界で寒さに当たるというのを、冷蔵庫に入れておくことで人工的に実現すれば、発芽する確率がぐんと高まります。

特に冬にそこまで寒くならない地域に住んでいると、ただ土に蒔いておくだけでは発芽しない可能性があります。私は台湾在住で、平地では冬でも10℃を下回ることが少ないので、発芽は難しそうです。そこで冷蔵庫を活用します!

休眠打破から発芽まで冷蔵庫で完結

今回発芽させたスモモ
このスモモから種を取りました!

2024年9月、赤くて大きなスモモを食べました。甘くて非常においしいスモモで、もちろん味も楽しんだのですが、そのあとで残った種の発芽にも挑戦しました。

今回は冷蔵庫で休眠打破するだけでなく、冷蔵庫でそのまま発芽させてしまう方法です。

休眠打破だけ冷蔵庫で、という方法もあるのかもしれませんが、外観から休眠が終わっている状態かを見分けるのは困難です。それに、そもそも種を処理してから冷蔵庫の中に入れたままにしていても、勝手に種の殻を割って根が出てきます。今回はそこまで冷蔵庫で放置してみました。

食べたら種を洗う

発芽に挑戦したスモモの種
発芽に挑戦したスモモの種

果樹の多くは、果肉に発芽抑制物質が含まれているのだそうです。果肉が腐敗して朽ちたり剥がれ落ちたりすることで発芽抑制物質の作用が弱くなり、種は発芽するのだとか。

つまり、種はできるだけキレイに洗った方が良いと考えがちですが、スモモの種は果肉が結構種にびっしりとくっついていて、洗うのがなかなか大変です。

そこで、自然界のことを考えてみると、自然界で果肉を洗う作業などは基本的に存在しません。アライグマがスモモの種を洗う?リスがスモモの種を洗う?実際にそのようなことがあるのかはわかりませんが、基本的には種をそこまでキレイに、完璧に果肉を落とすまで洗う必要はありません。ある程度キレイになれば問題ありません。

キレイに洗えた場合、カビなどの繁殖を防ぐ効果はあろうかと思います。

乾燥させない

洗ったスモモの種は乾燥しないように湿らせたキッチンペーパーなどで包む必要があります。キッチンペーパーである必要は無くて、例えばミズゴケなどでも問題ありません。我が家ではキッチンペーパーの方が簡単に手に入るので、キッチンペーパーを使用することが多いです。

湿らせたキッチンペーパー程度でも、種は水けを吸収し、乾燥を防ぐことができます。そして、大切な種の殻の中にも柔らかい部分を通じて水分が浸透していきます。硬い殻ではありますが、実は水を吸いやすい場所もあるし、種の殻自体も水を吸っているようです。それらが中の仁にまで水分を届けるんですね。

この時のポイントは種を乾燥させないこと。じゃあ、種を丸ごと水没させた状態でも発芽するのかと考えたことがありますが、自然界でも例えば池に落ちてしまった種が発芽するとは思えないので、試したことはありませんが、発芽しないと思われます。

適度な湿り気、適度な空気があると良いです。

湿らせたキッチンペーパーで包んだら、それをチャック付きのビニール袋に入れて密封し、乾燥しないようにします

冷蔵庫の野菜室で放置

洗い、湿らせたキッチンペーパーで包んだ種は冷蔵庫に入れます。冷蔵庫の中でも入れてはいけない場所と入れても問題がない場所があります。

入れてはいけない場所は凍ってしまう場所です。冷蔵庫の中でも冷気の吹き出し口近くは庫内の物が凍ることがあります。種は凍っても大丈夫な物、大丈夫な場合もあるようですが、今回のように休眠打破だけでなく、発芽までさせることが目的の場合、凍ってしまっては本末転倒です。

私は通常の冷蔵室ではなく、スモモの種を野菜室で保管していました。野菜室は一般的に他の冷蔵室に比べて温度が高めになります。高いと言っても野菜の鮮度を保つのに最適な温度なので、3~6℃程度で、少なくとも私の住む台湾の平地よりは寒い環境です。

仙台市の3月の平均最低気温が1℃、4月で6℃なので、ちょうどそのぐらいの環境になろうかと思います。東京では2月の平均最低気温が5℃で、それ以外は7℃以上となっています。東京だと最も寒い月の夜中、明け方が冷蔵庫の野菜室と同じぐらいという感覚に近いと思います。

冷蔵庫の野菜室に湿らせた状態のスモモの種を入れておくことで、冬を疑似的に再現し、休眠打破をして、さらに発芽までさせてしまいます

最低2ヶ月以上は冷蔵庫で保管

冷蔵庫の中で発芽したスモモの種
冷蔵庫の中で発芽したスモモの種

種によって発芽するタイミングはバラバラです。おおむね3ヶ月前後で発芽となりますが、2ヶ月ぐらいで発芽するものもあるかもしれません。現に、梅や桃などで発芽に挑戦した時は2ヶ月程度でも発芽したことがありました。しかし、発芽しないものもあります。

発芽する時期が読めなくても全く問題ありません。私の場合、冷蔵庫に入れてから大体2ヶ月ぐらい経過したら一度取り出して様子を確認します。そこで発芽していない場合、種を洗い、キッチンペーパーを新しくして再度冷蔵庫に戻します。発芽していたら取り出して土に植え替えます。

冷蔵庫の中でも発芽はしますが、もちろん暖かくはないですし、太陽光も皆無です。そのため、そこまで生育に良い環境とは言えません。1ヶ月程度の差で驚くほど元気に、大きく育ってしまうということもありません。1ヶ月に1回程度チェックすれば問題ありません

種にカビが生えるのは普通

冷蔵庫に保管している最中に、種にカビが生えることがあります。これは正常です。今までカビたり洗い残しの果肉が腐ったりしなかった例はほぼありません。

実際まわりがカビても腐っても中身さえ大丈夫なら問題ないのですが、見たときに気分が悪いのも事実。それに、冷蔵庫の中で発芽し、根が出てきてその根がカビにずっと触れているというのも良くは無いと思います。

気になる場合はやはり1ヶ月に1回程度種を取り出し、洗い、新しいキッチンペーパーに取り換えるのが良いと思います。もちろんこの時もキッチンペーパーは湿らせてください。

4ヶ月冷蔵庫で放置した結果

冷蔵庫で発芽したスモモの種
冷蔵庫で発芽したスモモの種(2つの種が重なっています)

今回はちょっと長く4ヶ月冷蔵庫で放置していました。結果は無事に発芽していました。5個の種のうち、4個が発芽です。一部、根が切れてしまっているものもありました。

硬い殻は自分で割って出てきます。何も、ペンチなどを使って頑張って開ける必要はありません。

2月ぐらいまで本格的な寒さが続きます。今の時期に発芽して、少しずつ暖かくなっていくにつれて木も成長していくと考えれば、比較的自然な時期だったのではないかと思います。

これらの発芽した種は土に植え替えました。

早く発芽した場合

12月ぐらいに発芽した場合、私ならすぐに土に植え替えるか、冷蔵庫から出してまずは湿らせたキッチンペーパーで根元を覆って水耕栽培のようにします。というのも、私が住む台湾は冬でも10℃を下回ることが稀だからです。12月でも冷蔵庫から出たら日本の春や秋のような気温です。寒波が来ると10℃を下回ることがありますが、その時は室内に入れれば問題ありません。

10℃を下回ることが多い地域では、屋外よりも暖かい場所で最初は育てた方が安心です。

2025年のスモモ栽培で気を付けること

まず、発芽はしたので、これからの育て方に注意が必要です。

気温については台湾なので問題ないとして、害虫は水やりの際にシャワーを葉裏にもしっかり当てて、ハダニに代表されるダニ類やアザミウマはできるだけ飛ばしてしまおうと思います。

また、ある時は肥料を与えた直後に枯れてしまいました。おそらく肥料を根元に与えてしまったのが原因だったのだと思います。肥料は根元ではなく、根元から離して与えるようにしようと思います。

最後に

果樹の種が発芽するとどうしても収穫を期待してしまうのですが、収穫までは何年もかかります。しかもベランダという限られたスペースで栽培しているので、収穫はあまり期待できそうもありません。収穫よりも、いつか花を見れたらいいなと思っています。そのためには木を太らせなければなりません。少しずつでも枯らさないように注意しながら育てていきたいと思います。