植木鉢の土がカチコチに固まり、水はけが悪くなってしまったのである対策をしたところ、見事水はけが改善したのでその方法をここに記します。
目次
なぜか水はけが悪くなる土
園芸をしていて土が固くなってしまったことがある人は私だけではないはず。庭で植物を地植えで育てていても土が固くなることがあるし、植木鉢で植物を育てていても土が固くなることがあります。
そんな固い土を柔らかくする方法はいくつかありますが、今回は割り箸を使った結果についてです。
土が固くなる原因
土が固くなる原因は、土と土の間に空間が無いからです。空間が無いから土の粒子がみっちりと凝縮されたような状態になります。
そうなると当然水が浸透しにくくなり、水はけが悪い土が出来上がります。
土の中の空間はどこ行った?
土の中の空間がなくなる理由は、その空間にフィットする何か、土の話で言えば、土の粒子が入り込むことによってそこの空間が小さくなるか完全になくなり、同時にそこにあった空気は消失します。
この空間を確保することが水はけの良い土を維持するためには大切です。ところが、普通の土は水をかけるたびに小さな粒子に分解されていくので、園芸を初めてしばらくすると土の粒子は小さくなり、土の中の空間を埋め尽くしていきます。
土の中に空間を作る方法
土の中に空間を作る方法はいくつかあります。すぐできる物から、少し時間がかかるものまで様々です。
耕す
土を耕すことで、物理的に空間を作ることができます。
耕す方法は体力を使います。しかし、ただ耕しただけではすぐにまた空間が埋まってしまい、一時的な解決にしかなりません。
土壌改良材を入れる
赤玉土などの土壌改良材を入れることでも土の中に空間を作ることができます。パーライト、バーク堆肥、もみ殻燻炭などが利用されることもあります。
パーライトやもみ殻燻炭は私も利用したことがあります。これらは物質自体に穴がたくさん開いている多孔質の土壌改良材で、土の中に空間が生まれることになります。
しかし、これらもいずれは分解されたり粉々になったりして、必要に応じて買い増す必要がります。それでも良いのですが、私はそれすら面倒だなと感じてしまいます。
なお、パーライトももみ殻燻炭も風で飛びやすいので、土にしっかりと混ぜ込む必要があります。
崩れにくい土が赤玉土
水はけを改善するためによく使われる土が赤玉土です。赤玉土は崩れにくく、小さな粒子になりにくいため、土の中の空間を維持しやすく、水はけの改善などに役立つとされます。
実際、私も赤玉土を使っていましたが、私の住む台湾で赤玉土は少々高価で、そんなにたくさん使うのも気が引けます。どうにか他の良い方法が無いかと探していました。
赤玉土の特徴
赤玉土は崩れにくいため排水性に優れるという特徴があります。また、基本的には虫がほとんど付いていないというメリットもあります。微生物や菌もほとんど付いていないという特徴があります。
そして、栄養分も含まないので、肥料管理がしやすいと考えることもできます。
良い菌を増やす
パンはイースト菌や酵母菌などを使って膨らませます。それらの菌が発酵して生地が膨らむのです。
土に納豆菌やイースト菌で作った溶液を薄めて与えている方がいます。私もやったことがあります。確かにそれらも効果を感じましたし、有用な方法であると思います。
ただ、如何せん納豆溶液、イースト菌溶液を作るのがものぐさな私には面倒です。
割り箸を土に挿し込む
ちまたにはいろんな排水性の改善策が出回っており、土壌改良材もその一つなのですが、今回私が土壌改良、排水性改善のためにしたのは、割り箸を土に上から突き刺すだけという究極的に簡単な方法です。
狙ったのは土の中を発酵に近い状態にすること。そのために菌を増やす必要があり、割り箸が菌の温床となる計算です。
なお、使用済みの割りばしは洗って乾かしてから挿し込んでいます。
使用する割り箸の量と挿し込む深さ
割り箸は鉢の土の高さよりも少し短い程度に切り、できるだけ地表に現れないように、鉢底に届くぐらいの深さで、植木鉢の外周に沿って埋め込みます。
例えば6号鉢なら3~4本程度を使用しています。切った後の状態で3~4本です。10号の鉢なら6~8本ぐらい挿し込んでいます。
なお、割り箸と書いていますが、本記事では割らないタイプの使い捨て箸も含めて割り箸と表現しています。
乾燥した木を使用
乾燥した木であれば割り箸でなくても良いと思います。例えば剪定して出た木の枝を乾かし、それを土に挿してもいいと思います。
要するに、以下のような特徴があるものなら大丈夫だと考えます。
- 多孔質
- いずれは土に還るが、長く土にとどまるもの
- 土に挿せるだけの強度がある
- 手軽に手に入るもの
- 自然に朽ちていくもの
割り箸は木製の物と、竹製の物があります。四角いものもあれば丸いものもあります。極論、どれを使っても良いと思いますが、中には合成樹脂が含まれている使い捨ての箸もあるので、それは使わない方が良いでしょう。おそらく無意味です。
葉は虫が食べやすいから別で利用
今回の方法では割り箸や剪定で出た枝を使います。剪定で出た葉は使いません。というのも、葉は土の中に埋没させづらいからです。葉を埋没させるにはスコップなどで土を掘る必要があります。それは面倒です。
だから、今回の方法では硬い枝を使います。だからといって葉は捨てるのではなく、葉は植え替えの機会などに土にすき込みます。野菜類の葉であればミミズコンポストに入れてしまいます。
葉が地表に出てしまっていると、それに虫が寄ってきます。もちろん割り箸もそうなのですが、割り箸を土に完全に埋没させればそれほど気になりません。地表に出ているからと言って、葉ほどは虫も食らいつきません。ただ、それは割り箸の材質、環境、状況にもよるかもしれません。
割り箸を挿し込んで1.5ヶ月後の変化
割り箸を挿し込んでから1.5ヶ月ほど経過し、土もカチコチではなくなりましたし、排水も見違えるほど良くなりました。
効果は想像以上で、これはかなり有用だと感じました。ちょっとビビるくらいの効果でした。あれ?他に何かやったっけ?と自分を疑ったりもしました。
もちろん、環境の違いなど、いろんな要素が関係するのですべての環境で同じ結果が得られるとは思いませんが、少なくとも我が家のベランダではこのような結果になりました。
割り箸改善法の良くない点
割り箸を使って土壌改善をする方法は非常に簡単です。これ以上ないぐらいに簡単です。ですが、手放しで称賛できるほどの物でもありません。当然気になる点はあります。
時間がかかる
割り箸を土に挿し込んで水はけが改善されるまでは時間がかかります。1日や2日で変わるものではありません。
じわりじわりと割り箸が朽ちていき、菌が住み着き、菌が増えていく過程で土に空間ができ、空気が入り、そこに水が浸透するようになるまで、おおむね1ヶ月以上はかかると思った方が良いです。
土壌を改善する方法はいろいろあります。その中で割り箸を使った方法はおそらく最も簡単な方法です。でも、簡単ではあるものの、時間がかかるという特徴があるのも事実。この点をうまくコントロールする必要があります。
そのためには毎日土の様子を観察し、早めに対策をすると良いと考えています。
根を傷つける
物理的に割り箸を土に挿し込むので、そこに根があればどうしてもその根が傷つきます。少しぐらいどうということは無いかもしれませんが、そこに主要な根の基部があった場合、根を大きく損傷する可能性も否定できません。
私は植木鉢のできるだけ外側、縁の沿って割り箸を挿し込むようにしています。
植え替え時に挿し込んだ割り箸は捨てる?
植え替え時には使用していた割り箸を取り出し、1cmぐらいの間隔に切って小さくしたものを土の中にすき込んでしまいます。
植え替えは土を新しくできるので、割り箸に限らず、落ち葉や野菜の残渣なども含めて土にすき込んでしまいますが、長いままの割り箸は邪魔になりやすいので小さく刻んでしまいます。
捨てるのはもったいないです。まだ形を保っているのであれば、土壌改良には使えます。
最後に
割り箸を土に挿し込むのは良い点も悪い点もあります。ですが、手軽さはピカイチで、まだカチコチになっていない土も含めて、必要に応じて割り箸で対策を継続しようと思っています。