海外で生活していると無性に日本の食べ物が食べたくなることがあります。今までもいろんなものを手作りしてきましたが、今回は千枚漬けです。
近隣のスーパーや市場でカブは売られていないので、カブを育てるところから始めました。
目次
千枚漬けを作るにあたって
日本で漬物は数あれど、もっとも好きな漬物は何かと聞かれたらおそらく私は千枚漬けと答えます。聖護院カブの甘酢漬けが千枚漬けの正体ですが、中に含まれる昆布も含めて私は大好きで、千枚漬けさえあればご飯が何杯も進んでしまいます。
もちろん梅干しだって好きですし、浅漬けのようなものだって好きですが、食卓に並んでいるのを見たときにもっとも興奮するのは千枚漬けでしょう。
千枚漬けには聖護院カブを使います。残念ながら台湾で聖護院カブが売られているのを見たことはありません。となると代用品を探すしかありません。
スーパーには大根が並びます。大根でも作れるかもしれません。しかし、おそらくカブ特有の食感は再現できないでしょう。
そこで、カブを自分で栽培することにしました。
カブの栽培
カブの千枚漬けを作るにあたり、カブを栽培しました。カブの栽培については別の記事にまとめてあります。
カブの種の入手
近所の種苗店でもカブの種は売られていました。そこでそのカブの種を購入しようとしたら店主から「なんでカブの種を買うんだ」と聞かれ「日本でよく食べていたから」と答えたのですが、理解できないといった顔をして、それ以降何も話さずに店の奥に消えました。
推測するに、カブの種を仕入れたのは良いものの、全く売れず、ここに来て突然それを(それだけを)買おうとする人があらわれたので何か事情がある(例えばYouTuberが紹介していた等?)のではないかと思ったのかもしれません。おそらくあのお店の店主がカブの種を仕入れることは今後ないでしょう。なお、この時購入した種は一つも発芽しませんでした。
ネットでもカブの種は売られています。今後はネットで購入しようと思います。
カブと大根の違い
カブと言えば丸いイメージがありましたが、カブも大根も、細長いタイプもあれば丸いタイプもあります。聖護院カブもあれば聖護院大根もあるんですね。
見た目は似ていても、カブは胚軸という根と茎の間の部分が肥大したもの、大根は根が肥大したものという違いがあります。
部位の違いもあってか、食感に違いが生まれます。大根は生ではシャリシャリした食感、煮るとトロトロの食感になりますが、カブは生ではしっとりした食感、煮ても大根ほどトロトロにはなりません。
千枚漬けに適したカブの品種は?
千枚漬けに使われるカブと言えば聖護院カブです。ただ、そもそもの千枚漬けは必ずしも聖護院カブを使ったものではなかったようです。もっとも有名なのが聖護院カブの千枚漬けなのだそうです。
自分で千枚漬けを作るにあたり、聖護院カブが手に入るならそれでもいいですが、聖護院カブを薄切りにするのは結構大変そうです。専用の器具があればいいですが、無い場合は手ごろなサイズのカブを用意すれば良いでしょう。
今回私が使用したのはベランダ菜園で栽培した小カブで、直径1cm~3cm程度の超小さなカブを使いました。
千枚漬けづくりについて
千枚漬けはもともとカブの乳酸発酵漬けだったのだそうですが、現代ではカブの酢漬けが主流なのだそうです。
現代における一般的な千枚漬けは、薄切りにしたカブと、酢、唐辛子、昆布を使った酢漬けです。
今回私が挑戦したのはカブの酢漬けになります。
千枚漬けの材料
- カブ 200g程度
- 米酢 大さじ2
- 砂糖 大さじ2
- 塩 小さじ2
- 昆布 5cm角
甘酢漬けなのでそんなに難しい材料は無いです。今回、唐辛子は使わないことにしました(家に無かった)。
甘酢の量はもっと少なくても良かったかもしれません。
カブの葉は千枚漬けには使わず、みそ汁に入れていただきましたが、非常においしくいただくことができました。
千枚漬けの作り方
- カブの皮を剥き、1.5mm厚ぐらいに薄切りにする
- 薄切りにしたカブをビニール袋に入れ、塩を揉み込んで15分程度塩漬けにする
- 米酢と砂糖を鍋に入れ、火にかけて砂糖を溶かす(沸騰させず、砂糖を溶かすだけ)
- 塩漬けしたカブから出てきた水分を捨て、耐熱ビニールに入れ、「3.」で作った甘酢を入れる
- 粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、一晩漬けこんだら完成
作るのも難しくありません。切って甘酢に漬けるだけです。
手作り千枚漬けの味
手作りの千枚漬けは非常においしく、なんとも懐かしい味がしました。なによりカブの食感がよく、カブ栽培は少し時間がかかりましたが、栽培して良かったと思えました。
千枚漬けの昆布は食べる?
今回はいただきものの北海道の昆布を使いましたが、この昆布も食べました。この昆布は昆布で非常に美味しかったです。
千枚漬けとなますは同じもの?
お正月に作ることの多いなますと、今回の千枚漬けは非常に似ています。調味料だけを見ればほぼ同じと言っても良いです。
しいて違いを言うならば、なますは人参や大根を使用するのに対し、千枚漬けはその名の通りカブを千枚かと思えるほど薄く切ったものを使用します。
千枚漬けの賞味期限は?
今回手作りした千枚漬けは作った翌日には全部食べてしまいましたが、私なら冷蔵庫保管で3日ぐらいは気にせず食べると思いますが、そもそも浅漬けなどは2日程度しか持たないとする場合もありますし、千枚漬けも6日程度~2週間程度とメーカーにより見解が異なります。
手作りで漬物を作る場合、メーカーよりも保存性は良くないと考え、冷蔵庫で保管し、できるだけ早めに食べる方が良いと思います。
次の課題
千枚漬けにはやはり大きいカブが合います。今回使用したのは小カブで、しかもあまり肥大しなかったものも含まれていたため非常に小さなカブによる千枚漬けでした。
今後、もっと大きなカブを栽培して、そのカブの千枚漬けを作ってみたいと思っています。
最後に
カブの千枚漬けを手作りする場合は聖護院カブよりも小さいカブの方が簡単です。とはいえ、それなりの大きさがあった方が食べ応えもあり、良いと思いました。