2024年にベランダで栽培していた里芋を秋に収穫し、冬まで保存していました。今回その保存していた里芋を使って煮物を作ったところ、ある材料を入れただけで、ある手間を1つ増やしただけで真っ白な里芋の煮物になったのでその顛末を記録しておきます!
目次
里芋を煮よう!
台湾に住んでいると里芋をスーパーで見ることが少ないという話は以前から何度か書いたことがあります。事実、我が家の近所のスーパーで里芋を見たのは数年間の間に1回だけでした。
台湾で里芋を食べるにはネット通販で購入するという方法があります。今回は1年前にネット通販で購入して、それを種芋としてベランダで栽培し、2024年秋に収穫した里芋を使って煮物を作りました。
里芋は煮ると紫になる
里芋は煮ると黒に近い紫色に変化するのが当たり前だと思ってきました。実際自分が煮ても紫色になりましたし、今まで食べてきた里芋もやはり紫色になったものが多かったです。
見た目は決して良くありません。でも、好きとか嫌いとかの問題ではなく、里芋というのは煮れば紫色になるというのが常識だと思って生きてきました。
里芋が紫になる理由
アントシアニンが多く含まれている里芋は、茹でる前からムラサキになる傾向があるそうです。台湾でよく売られているタロイモは基本的に中に紫の繊維のようなものが多くみられます。それがまさにアントシアニンなんだそうです。
過去にタロイモをキヌカツギ風にしたときもやはり完成品はムラサキで、あまりきれいとは言い難い感じでした。また、里芋に関しても紫の部分が入っていたこともあります。
里芋を煮た時、黒に近い紫になるのはタンニンと鉄が反応するからだそうです。そのため、里芋を煮る時に金属製の鍋を使うと変色しやすいのだそうです。
タンニンと言えばベランダ菜園でも利用しているタンニン鉄なんかも黒に近い紫色をしています。まさに同じような反応が起きてしまうのでしょう。そしてそのタンニン鉄にクエン酸を入れたところ、色が希釈され、透明に近づきました。酢を使うことも、これと共通した反応で、酢がタンニン化合物と作用して色を希釈していると考えられます。
里芋を煮ても紫色にしない方法
里芋を煮る時、金属製の鍋で煮るよりも、ガラスやホーローの鍋で煮る方が変色しにくいと言われます。タンニンと鉄が反応することが原因だとすればさもありなんという感じではあります。ただ、我が家にはステンレスの鍋しかないため、今回はステンレスの鍋を使用しました。
調味料も醤油をたくさん入れると今度は茶色っぽくなります。薄口しょうゆを使うとか、醤油の量を減らして薄味で作るとかの工夫が必要です。今回は薄口しょうゆがなかったのでそのまま普通の醤油を使いましたが、できるだけ少なく、風味付け程度としました。
それから、酢を入れた水で里芋を下茹ですると紫色になりにくいと聞きました。でも、酢でそんなに変わるものなのか、最初はあまり信じていませんでしたが、今回実際にやってみることにしました。結果を先に書いてしまいますが、大成功でした。
里芋を酢で下茹でする方法
大体600ccぐらいの水に皮を剥いた里芋を並べ、そこに大さじ1程度の酢を入れます。もち米の酢(台湾で糯米醋)と書かれているものを今回は使用しました。
用意する物
- 酢 大さじ1
- 水 600cc
- 皮を剥いた里芋 400g程度
里芋の下茹でに特別な物は必要ありません。酢があればできます。
下茹での手順
- 鍋にすべての材料を入れて沸騰させる
- 沸騰してから5分程度茹でる
- 茹でたお湯を捨て、下茹でした里芋を水洗いする
これらの単純な作業で里芋の下茹では完了です。簡単に書くならば、酢を入れた水で里芋を煮こぼしたら終わりです。
里芋を煮ていく
下茹でが終わった里芋を今度は煮ていきます。今回は柚子皮が手に入ったのでそれも味付けに使用しました。
煮里芋の材料
- 下茹でした里芋 400g
- 水 300cc(里芋の半分の高さぐらい)
- 塩 1g
- 醤油 小さじ1/2
- かつおだし顆粒 小さじ1
- 砂糖 小さじ1
- みりん 大さじ1
- 柚子皮 2g
基本的にいつも我が家では薄味で作っています。素材の味をよく感じる程度の調味料です。
煮里芋の煮方
- 柚子皮以外の材料を全て鍋に入れ、沸騰させる
- 柚子皮は細切りにしておく
- 落し蓋をして火が通るまで煮る(今回は15分程度)
- 「3.」に切った柚子皮を入れて軽く混ぜ、落し蓋をして15分ほど放置したら完成
極力手間を省いた作り方をしています。
出来上がった煮里芋の味
まず、見た目に驚きました。今まで煮里芋と言えば黒に近い紫が当たり前でしたが、白い!里芋なのに白い!煮里芋が白くなった理由は酢を入れた下茹でと、醤油の量も関係しているでしょう。ステンレスの鍋を使ったのに驚く白さでした!
そして味!そもそも里芋がやはりおいしい!調味料が少ないので、物足りないという方もいるかもしれませんが、個人的には大満足の味でした。柚子の皮も良い味を出していて、とてもおいしい煮里芋を作ることができました。
最後に
里芋の味は嫌いではないのですが、どうにもあの黒とも紫とも言えるような色が食欲をそぐような気がしていました。
使用器具や下処理の工夫で今回のように黒や紫になりにくい作り方があることを知り、今後はこの方法を採用して里芋を煮ていきたいと思いました。
しかしながら、私の住む台湾ではスーパーで里芋が売られていることは非常に稀なため、そもそも入手が課題となります。
日本のスーパーが恋しい今日この頃です。