植木鉢から植物の根が出てきた!出てきた根の処遇について

ベランダで植物を育てていると植木鉢の底から根が飛び出てくることが多々あり、以前は「植え替えないと!」と焦っていたものですが、実はすぐに植え替える必要のないケースがほとんどで、今となっては何も焦らず、ただただ放置するか、必要に応じて引っこ抜いたり切りそろえたりしています。今日は飛び出た根のお話。

植木鉢の底から根が出てくるのは根詰まりとは関係ないことが多い

植木鉢の底から根が出てくることは非常によく発生します。もしかして根詰まり?植木鉢の中がもう根でいっぱいで底から出てきてしまったのかもと数年前の私のように思う方もいるかもしれませんが、そうではない可能性の方が高いです。単に植物の根の付け根から底穴の方に伸びてきた根が飛び出てきただけの場合がほとんどで、実際根詰まりの場合は水やりをしても水を全然吸収しないで植物の根元が池のようになるとか、そういう症状になります。そうでもない限り、鉢底から飛び出てくる根がそのまま根詰まりと直結すると考えるのは時期尚早かもしれません。

飛び出た根っこは切ればいい

根詰まりと関係ないとはいえ、根が飛び出てくるということは土が不足しているとか?やっぱり植え替えだ!となるのもちょっと早とちりな感じです。というのも、直根タイプの植物でもない限り、根はどんどんどんどん植物から出てきてその範囲を広げていきます。鉢の一番下に到達すれば底穴から顔を出したり、鉢の壁に沿って周回したりします。そうして行き場を全くなくなるぐらいになってようやく根詰まりです。

そのため、水はけが良い状態の場合、直根タイプでもない限りは、私は飛び出た根をしばらく放置して様子を見ます。あまりに長くなる場合は適宜切りそろえたりちぎったりしています。そうすることでまた植物の根元からの発根を促す狙いもあります。

根は空気に触れていると乾燥して生長が止まる

鉢底から飛び出た根っこも、放置しておけば乾燥して枯れていきます。鉢の下に受け皿などを置いている場合はそこに水がたまってしばらく生長を続けるかもしれませんが、それも限界があります。そこに水がないとなれば、その部位の根は生長をやめ、植物は他の部位から発根し、他の方向へ根を伸ばして水を求めていきます。こうすることでガッシリと土をつかんだ、よい根張りの状態になっていくと考えられます。

鉢底で根がグルグル巻きになっているのは良くない傾向

鉢底の穴方向に水がないとわかった植物は、鉢の壁に沿って周回を始めます。水を求めて根を伸ばし続けるため、根が鉢底で壁に沿ってグルグル巻きになってきます。こうなると鉢底でばかり根が成長するため、ガッシリと土をつかんだ理想的な根張りとはなりません。そういうのを防ぐのが鉢底石だったりします。底部一面が乾燥していれば根はそれ以上生長していかないので、グルグル巻きになりにくいというわけです。

鉢底グルグルを防ぐための鉢がスリット鉢

プロの農家さんたちのYouTubeを見ると、多くの方が緑色のスリットポットを使用されています。鉢底の辺りにスリットが入っているので、鉢底だけで根がグルグル巻きになるのを防いでくれ、結果的に植物の生長具合がよくなることが期待できる鉢ということなんだそうです。

私の住む台湾でも似たようなものが売られていて、最近はそれを買ったり、自分で鉢にスリットを入れたりしています。

スリット鉢は鉢底グルグルを防ぐためのものなので、スリット鉢でも鉢底から根っこは出てきます。つまり、鉢底グルグル状態になることを防ぐのがスリット鉢で、鉢底から根が出てくるのを防ぐというものではありません。ただ、メリットの多いスリット鉢を使った方が植物の生育には良いと思っています。

直根タイプは鉢のサイズが合っていない可能性有り

直根タイプのように、細い根が少なく、一本の太い根が下へ下へと伸びるタイプの植物の場合、そのメインの太い根が飛び出てきてしまうということはそもそも鉢のサイズが合っていない可能性があります。例えば大根やゴボウなどです。柿も直根タイプだと聞きます。我が家にあるパパイヤも根を見る限りそうなのではないかと思います。

直根タイプは植え替えを嫌うそうです。大根やゴボウは食す部分が飛び出てきてしまうのはよくなさそうですよね。直根タイプの樹木を盆栽にする場合、直根は切ってしまい、他の根の生長を促すのだそうです。我が家のパパイヤはまた根詰まりしているので来春植え替え予定で、その時に根を観察してみようと思っています。

最後に

以前は鉢底から根が出てくると根が伸びるスペースがもう残されていないのかと思っていましたが、実際はそうでもないです。鉢底から根が出ても焦らず、よく見極める必要があります。私の場合は当面放置、しばらくしてからカットするなどしています。

植物は自然界でもたくましく育っているので、実際のところかなり強いです。植物自らの力を邪魔しないように育てていきたいです。