私も最初の頃は、レシピ通りにアク抜きしたのに苦くなってしまい、何度も失敗しました。でも、原因はそこではなかったんです。梅仕事7年目の筆者が最も大切なことを書いていきます。
なぜ梅シロップや梅干しが苦くなる?最大の原因は「梅の熟度」だった!
せっかく作った梅シロップや梅干しが苦かった、なんて経験をされたことのある方も少なくないと思いますが、それはアク抜きが不十分だっただけでなく、他にも問題があった可能性があります。結論を先に言うと、用途に応じた熟度を把握することがもっとも大切です。
【結論】青すぎる梅(未熟な梅)を使うと苦味が強く出る

梅のシーズンが到来してすぐの青梅にはいくつかの特徴があります。
- 色が青々としている
- 硬い
- 苦み成分のアミグダリンが豊富に含まれている
梅の品種によっても苦味の強さは異なると思いますが、これらの特徴のある青梅をそのまま梅シロップや梅干しづくりに使ってしまうとどんなにアク抜きをしても苦味の強い梅シロップや梅干しになります。
【注意】未熟な青梅の「生食」は厳禁です
青梅に豊富に含まれる苦み成分「アミグダリン」は、体内で分解されるとシアン化水素(青酸)という毒素を発生させます。そのため、青い実をそのまま生で食べ過ぎると中毒を起こす危険があります。
ただし、梅仕事の過程(漬け込む、加熱する、天日干しにするなど)でアミグダリンは分解され、無害化されますので安心してください。この記事で紹介する「熟度」を意識した作り方は、苦味だけでなく安全性と美味しさを両立させるためにも非常に重要です。
梅仕事7年目でようやく気づいた「熟度」と苦味の深い関係
初めて梅干しづくりをした時、様々なレシピを見てそのとおりに作っていたにも関わらず苦い梅干しになってしまいました。
アク抜きが不十分だった?そんな風に思ってアク抜きばかりに焦点を当てて数年梅干しづくりを継続しましたが、どうしても苦味が消えませんでした。
私はもっと大切なことを見落としていたのです。それは梅の実の熟度です。
【失敗を防ぐ】梅仕事歴7年の筆者が実践する「最適な熟度」の見極め方

梅の実は青ければ青いほど果肉に苦味があります。熟していく過程で苦味は消えていくのですが、青い梅は苦味が抜ける前に収穫されるため、苦いことが多いです。
- 青梅(未熟):苦味MAX
- 黄緑梅(追熟期):苦味かなり減少
- 黄梅(完熟):苦味ほぼなし
熟せば熟すほど苦み成分のアミグダリンが分解・減少していきます。
シーズン中盤になると黄色い梅が混ざり始め、シーズンの終わり頃には黄色い完熟梅が売られていることもあります。
梅シロップに最適な熟度:ほんのり黄色みがかった「追熟」のタイミング

梅シロップには黄緑の梅を使います。青梅ほど青々としておらず、少し黄色みが付いてきたころの梅を使います。
もし手に入れた梅が青梅だった場合、追熟をして黄色みがかかってきたころの梅を使います。
梅干しに最適な熟度:桃のような甘い香りがする「完全完熟」

梅干しに最適な熟度は「完熟」です。完熟は梅の実が黄色になったタイミングです。完熟の黄色い梅は傷むのも速いため、なるべく早く梅干しに加工します。
完熟梅は梅シーズン後半で登場するのを購入しても良いですし、青梅を追熟させても良いです。熟せば熟すほど桃のような甘い香りが漂ってきます。
梅酒は青梅も完熟梅もOK!

梅酒はアルコールが梅の苦み成分であるアミグダリンを分解、無害化させる働きがあり、青梅でも苦味を感じない梅酒を作ることができます。実際に青梅で梅酒を作ってみましたが、無事に苦味の無い梅酒ができました!
梅酒に青梅を使うと爽やかなテイストに、完熟を使うとフルーティーなテイストになると言われています。
買ってきた青梅を上手に「追熟」させる具体的な手順と注意点

梅の実の追熟にもコツがあります。適切に追熟させないと追熟の過程で水分が飛んでしまい、シワシワの梅になったりします。以下が追熟のコツです。
- 段ボール箱や紙袋に入れるか新聞紙でくるんで追熟させる
- 洗う前の梅を追熟させる
追熟の手順は以下の通りです。
- 梅を手に入れる
- 梅を段ボール箱に入れるか新聞紙でくるんで冷暗所に2~3日置いておく
- 熟度で黄梅(完熟)と黄緑梅(熟梅)に分け、それぞれに適した用途に使う
以下の注意事項にも気を付けましょう。
- 段ボール箱や紙袋を使うにしても新聞紙を使うにしても、できるだけ隙間を埋めて包む(段ボール箱が大きい場合は梅の上に新聞紙を被せるなどし、紙袋なら隙間が小さくなるように折りたたむなどする
- 追熟作業の前に梅の実を洗ってしまうと梅が傷んでしまうことがあるので、洗わずに(洗う前に)追熟させる
- 追熟の過程で早く熟す梅もあれば、なかなか熟さない梅もあるため、すべての梅を1つの用途に使うのではなく、それぞれの熟度に合っている用途に使うか、熟度が足りないものだけ追熟を延長します。
【SEO網羅性】熟度だけじゃない!梅干し・梅シロップが苦くなるその他の原因
梅の苦味が残ってしまう原因は熟度だけではありません。ここでは他の原因も網羅します。
原因①:青梅のアク抜き(水に浸ける時間)が不足している
青梅を水に浸けておくことでアク抜きができますが、アク抜きの時間が短すぎるとしっかりアク抜きができません。
一般的な水に浸ける時間は1~2時間です。長くても4時間以内で終わらせます。短すぎてもいけませんし、長すぎても茶色く変色する原因になるのでよくありません。
原因②:「ヘタ(ホシ)」の取り残しが雑味や苦味に変わる
梅の実のヘタが残ったまま加工すると、そのヘタが雑味や苦味の原因になることがあります。加工する前に丁寧にヘタを取り除きましょう。
原因③:容器の消毒不足や、発酵による風味の変化
梅仕事で使う容器や道具類はすべて消毒してから使用します。消毒が不十分だと雑菌が繁殖しやすかったり、発酵してしまう可能性も高まります。雑菌や発酵によって風味が変化してしまうこともあります。
消毒は煮沸消毒かアルコールを使った消毒があります。大きな容器だと煮沸消毒できないのでアルコールを使うことになりますが、食品に使う物なのでアルコール濃度の高いお酒を使うと良いです。私はアルコール40%以上の高粱酒を使っています。
原因④:天日干しが不十分だった
しっかり直射日光に当たる場所で天日干しした梅干しと、日陰で天日干しした梅干しでは、日光に当てていた梅干しの方が苦味が弱かったです。
天日干しはただ乾燥させるだけでなく、日光パワーを借りて苦味が弱くなることがあります。
【救済策】苦くなってしまった梅シロップ・梅干しのリカバリー方法
苦くなってしまった梅シロップや梅干しを捨てるのはちょっと待って!工夫すれば食べられる可能性があります。
苦い梅シロップはどうする?加熱アレンジや料理への活用法
苦くなってしまった梅シロップは加熱してアクを取り除くと多少苦味が減ることがあります。
また、水で割って飲むだけでなく、例えばアイスティーで割って飲むとか、または料理のソースに少量加えてアクセントにするなどの使用法があります。
苦い梅干しはどうする?塩抜き・天日干しのやり直しや、調味料としての再生術
苦くなってしまった梅干しは塩抜きすることで多少苦味が弱くなることがあります。また、天日干しをやり直すことでも苦味が弱くなることがあります。梅キューなど、調味料として使うと苦味がごまかせる場合もあります。
作ってからすぐは苦くても、1年経過すると苦味がまろやかになっていることがあります。そのため、1年ぐらい寝かせておくのも良いと思いますが、その場合、長期保存できるように塩分濃度は18%以上が良いです。
また、一度塩抜きしてからハチミツ梅干しや鰹節梅干しにするための調味液などに漬けこむことで苦味を多少ぼかすことができる場合もあります。
まとめ:梅の熟度を正しく見極めて、今年は最高の梅仕事を成功させよう!
直近7年間の梅仕事の経験から言える以下の2点です。
- 目的に応じて梅の実の熟度を使い分けることが梅仕事では最も大切
- 追熟させるなら適切な追熟の仕方がある
私の住む台湾ではすでに梅の販売は終わってしまっていますが、そろそろ日本では青梅の販売が開始しているのではないかと思います。完熟梅は6月中旬ごろから7月上旬ごろでしょうか。
梅仕事は梅の状態(自然)に寄り添う楽しさがあります。これまで失敗していた方もぜひ上記を参考に楽しい梅仕事をしてみてください!
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