写真のサイズを小さくしたくてペイント系ソフトで画像の拡大・縮小や出力時の品質を低めに抑えるなどの対策を試みたのですが、出来上がった写真は非常に汚く、ぼやけたものとなってしまいました。そこで、比較的マシになった方法をご紹介します。
写真のファイルサイズを小さくする理由
カメラの画素数が多くなるにつれ、写真のファイルサイズもどんどん大きくなります。1000万画素のカメラで撮影した写真よりも1億画素のカメラで撮影した方が写真のファイルサイズは大きいです。
写真の画素数が大きい方がキレイに見えたり、拡大した時にも鮮明に見えたりしますが、A4程度に印刷する場合、1億画素も必要ないと言われたりもします。
スマホやパソコン内で使う写真の場合も、例えば共有したいとか、ウェブサイトにアップしたいとなった時、写真のファイルサイズが大きいと共有できなかったり、アップロードに時間がかかったり、そんな大きなファイルサイズの写真が掲載されたウェブサイトは表示に時間がかかってしまったり、ということが発生します。
私もまさに上記のような状況で、写真のファイルサイズを小さくする方法を模索していました。
縮小後に写真がぼやける原因
写真を縮小する際、解像度を極端に落とすとぼやけたように見えることがあります。通常、1000万画素もあればA4ぐらいまでなら写真印刷しても、スマホやパソコンで見ても普通に見えるのですが、例えば200万画素などになると、粗いというか、ぼやけたような写真になることがあります。
また、縮小する際に量子化率の指定値が低すぎるとぼやけることがあります。目安としては50%を下回るとその傾向は顕著になります。
写真のファイルサイズを小さくする方法
写真のファイルサイズサイズを小さくする方法はたくさんあります。スマホなら専用のアプリがあります。それを使うのも良いでしょう。私は写真リサイズというアプリの無料版を使ったことがあります。
写真リサイズでは写真を回転させたり、切り抜いたりといったこともできます。
スマホアプリ「写真リサイズ」で極力劣化させずにファイルサイズを小さくする方法
サイズ変更も解像度(縦横のサイズ)で指定出来たり、それを割合(%)で指定出来たり、ファイルサイズで指定出来たりもします。また、解像度とファイルサイズの両方を指定することもできます。
写真自体の解像度を指定する方法は、写真の解像度もファイルサイズも小さくなりますが、思ったよりもファイルサイズが小さくならないことがあります。簡単に言うと解像度は印刷のサイズ(もしくは画面に表示するサイズ)で、そこに情報が凝縮されているとファイルサイズはやはり大きなままです。例えば3642×2080というサイズで5.88MBの写真を題材にする場合、1280×731という項目を選んだところ、ファイルサイズが400kBほどになりました。ウェブサイトやスマホで見る分には十分な画質でした
ファイルサイズを指定する方法は、極端に解像度が小さくなることがあります。例えば3642×2080というサイズで5.88MBの写真を題材にする場合、100kBという項目を選んだところ、解像度が389×222となり、ファイルサイズは99kBとなりました。この解像度だと、スマホ画面で見ても明らかに劣化しています。
写真リサイズには解像度とファイルサイズの両方を1度に指定する方法もあります。例えば3642×2080というサイズで5.88MBの写真を題材にする場合に、解像度を1280×730(縦横比維持)、ファイルサイズを100kBに指定すると、解像度1278×730、ファイルサイズ97kBの写真が出来上がりました。この方法の場合、先ほどファイルサイズのみを指定する方法で出来た写真よりもキレイな写真が出来上がります。
パソコンソフト「縮小専用。」で極力劣化させずにファイルサイズを小さくする方法
縮小専用。では解像度の指定と①量子化率の指定、もしくは②ファイルサイズの指定が同時に行えます。
量子化率を指定する場合
量子化率は1~100%まで選択できますが、量子化率は直線的ではなく、曲線的なので、100~90まではそれほど劣化せず、90~50まではまあまあ劣化し、50を下回ると一気に劣化が進む、という特徴があるようです。個人的な感覚ですと、ウェブサイトに掲載する目的の場合、量子化率50までが限界かなという感じです。
ファイルサイズを指定する場合
ファイルサイズの指定は任意のサイズ(単位はKByte)に指定して縮小できます。
量子化率の指定とファイルサイズの指定の違い
例えばもともと解像度4608×3456で5.15MBあった写真を、解像度1280×1280、量子化率50%で縮小すると解像度1280×960で、114KBの写真が出来上がります。逆に114KBに指定して縮小すると、解像度は同じ1280×960ですが、ファイルサイズはほぼ同じ111KBになり、実際の写真を見比べてみてもそれほど大きな違いは見受けられませんでした。
なお、先ほどよりも若干大きな解像度4656×3492でファイルサイズ5.62MBという写真を縮小専用。で縮小しようとした際、量子化率を指定した時はうまく縮小できたのですが、ファイルサイズを指定した時はソフトの動作が止まり、うまく縮小してくれませんでした。どうやら解像度が大きすぎると動作しないようです。4656×3492ではダメでした。それから、量子化率も99%まではできましたが、100%にするとできませんでした。
写真を縮小する際のポイント
写真を小さくしたい場合、解像度だけを小さくしたのではファイルサイズはそこまで小さくならないことがあります。ファイルサイズだけを小さくした場合、意図せず解像度の非常に低い写真となることもあります。解像度が低くなればぼやけてしまいます。大切なのはこれらを同時に指定して縮小することです。
量子化率を指定する場合は50%を下回らないようにすることも大切だと思います。量子化率が50%を下回るとぼやけます。
また、ソフトに限らず、全体的に明るい写真の方がファイルサイズは小さくなる傾向があります。可能であれば少し明るく加工してから縮小するというのも良いでしょう。
GIMPで写真を縮小する際の設定
ちなみに私はペイントソフトのGIMPで写真加工することもあるのですが、GIMPの場合は明るさを調整し、必要に応じて縦横比を適切な値にして切り抜き、解像度を小さくし、エクスポート時に品質を落としてエクスポートします。エクスポート時の品質がおそらく量子化率の指定になっているのではないかと思います。ですので、ここを50%にすれば良いということになります。
最後に
カメラは画素数が増加する傾向にあるようですが、これからもまだまだ画素数の少ない、解像度の低い写真の需要というのはあるのではないかと思います。ぼやけないように縮小できるといいですね。なお、量子化率は自分の好みを見つけると良いと思います。私は50%で十分でした。
ちなみにSquooshというサイトでもほぼ無劣化で画像のファイルサイズを小さくすることができるので、上記の処理をした後で、必要に応じて使うことがあります。