食べた後の桃の種を発芽させる場合、休眠打破が必要です。桃の種は通常休眠状態になっていて、休眠状態のままでは発芽しません。そのため種から桃を発芽させるには休眠を打破する必要があります。
今までいくつもの『桃の種からの発芽』に挑戦してきた筆者が過去の経験をもとに、「いつ、何をすれば、いつ芽が出るか」を明確に解説していきます。
桃の発芽に必要な「休眠打破」とは?

桃の種には休眠物質があり、一定期間「寒さ」を経験しないと発芽しません。もしも休眠物質がなければ果実の中から突然芽が出てきてしまいますが、それを防ぐ機能が自然に備わっているとも言えます。
自然界では冬の寒さを自然に経験し、休眠状態が打破され、春に発芽します。そのため、桃の旬である夏に桃を食べ、そこで得た桃の種をすぐに土に植えても通常は芽が出ません。
しかし、自然に任せているといつまで経っても発芽しないこともあります。種を入手し、確実に発芽させるには人工的に休眠打破する必要があります。
成功の鍵は「低温湿潤貯蔵」

人工的に休眠打破をするには冷蔵庫で疑似的に冬を経験させることができます。ただ種を冷蔵庫に入れるのではなく、キレイに洗った種を、湿らせたキッチンペーパーで包み、ジップロックなどで密閉して冷蔵庫に入れます。冷蔵庫に入れる際は外殻を割らなくても良いです。外殻に包まれたままの桃の種を使いましょう。
自然界では3ヶ月程度冬の寒さに当てれば休眠打破されます。冷蔵庫で疑似的に冬を経験させる場合も同様に3ヶ月程度冷蔵庫で保管します。
桃の種まき:最短で発芽させる3ステップ

ステップ1:桃を冷蔵庫に入れる前に桃の種をキレイに洗浄します。果肉が付いているとカビが発生するリスクが高まります。種を可能な限りキレイに洗浄してから三ヶ月冷蔵保存します。
カビのリスクを減らすには月に一回程度洗浄とキッチンペーパーの交換をすると良いです。
ステップ2:三ヶ月冷蔵保存した後、冷蔵庫から取り出して外殻を割ります。
外殻は手では割れません。ペンチを使用して割るのも良いですが、桃の種は大きいので比較的大きなペンチが必要になります。私は手のひらサイズの石を左手に持ち、その左手の石の上に桃の種を置き、同様に手のひらサイズの石を右手で持って右手の石で左手の石の上に乗った桃の種をたたきつけて割っています。
ペンチを使う場合も石を使う場合も桃の種の中身(仁)を傷つけるリスクがあるので、割る際は力加減に注意します。
ペンチを使っても石を使っても桃の種の中身(仁)が傷つくことがあります。外殻を割るのはメリットもデメリットもあるので下の表にメリットは青字、デメリットを赤字にしてまとめます。
| 外殻を割る | 外殻を割らない | |
| 発芽までの時間 | 早い | 遅い |
| 発芽率 | 高い | 低い |
| 中身を傷つけるリスク | 高い | ゼロ |
| おすすめ度 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
ステップ3:外殻を割った種から発芽させる方法は2つあります。
- 方法① 土に種まきする方法です。この場合、赤玉土のような清潔で保水性、排水性に優れた土が理想です。発芽前に肥料を与える必要はありません。乾燥させないように管理する必要があります。ビニール袋などに入れてしまえば比較的乾燥は防げます。
- 方法② 水耕栽培で発芽させる方法です。この場合、外殻を割り、種の中身(仁)を取り出し、茶色い薄皮を剥き、先端が尖った方を常に湿らせておくために湿らせたキッチンペーパーや水苔などで種を包んで常温で乾かないように放置しておきます。この時、湿らせたキッチンペーパーが乾燥しないようにラップなどをかけるか、まるごとビニール袋に入れると安心です。
なお、発芽成功率が高いのは方法②です。外殻を割った段階で中身(仁)がブヨブヨな種は腐っているのではじきます。ブヨブヨになっていなくても、発芽しないものもあります。
発芽までの管理と時期

種まきの最適時期は暖かくなり始めた2月下旬~3月です。夏に食べた桃の種をその時期まで冷蔵庫に入れておいても良いですが、冷蔵庫の中で発芽する可能性があるので、月に1回ぐらいチェックする必要があります。以前半年間冷蔵庫に入れていた種は冷蔵庫内で発芽せず、春先に殻を割って発芽させたところ、今までにないぐらいよく生長しました。
例えば8月に桃を食べて種を手に入れた場合、三ヶ月後の11月ごろに冷蔵庫から取り出して発芽処理をしても発芽します。ただ、その場合発芽した時点ですでに11月で、そこから冬になります。冬は生育に適した時期とは言いがたいので、11月ごろに発芽させる場合は春が来るまで室内管理の方が安心です。
冷蔵保存後2、3日で種の先端部分から根が伸び始め、10日ぐらいで発芽するものもありますが、個体差があります。全く根が出ず、そのまま腐ってしまう種もあります。
発芽するまでは直射日光を避けた明るい日陰に置くのがベストです。乾燥しすぎると失敗します。乾燥しないようにビニール袋で包んだり、ラップをかけるなどして乾燥を防ぐと管理しやすくなります。
こんな時どうする?桃の発芽FAQ
Q: 桃の種がカビてしまったら?
発芽せずに種が腐っていく場合があります。毎日観察して、腐っているようなら早めに処分します。また、種の仁部分にカビが生えることがあります。仁にカビが生えたらカビの部分だけを消毒したハサミなどで早めに切り取ることでそれ以上カビが広がることを防げます。
Q: 殻を割らずに植えても芽は出る?
殻を割らなくても発芽はします。しかし、確実を期すならば殻を割って、根となる部分(種の先端、尖っている方)に直接水が当たるようにした方が良いです。殻を割って茶色い薄皮を剥き、尖った方を湿らせたキッチンペーパーで包むなどすると発芽しやすいです。
Q: スーパーの桃の種でも芽が出る?(品種による結実の有無にも触れる)
スーパーで買った桃から取った種でも芽が出ます。発芽から3~4年で実際に花が咲いたこともあります。しかし、結実するかは個体ごとに性質が異なるため、一概には言えません。自家受粉できる品種もあるし、花粉が少ない品種もあります。
また、自家受粉できる品種の桃から種を取ったとしても、種から育てた実生苗は親の性質を引き継がないのが一般的なため、親が自家受粉できる品種だからといって、必ずしも実生苗が自家受粉できるとは限りません。
芽が出た後のステップ
水耕栽培で本葉が4枚程度出てきたら土に植え替えます。発芽した後の具体的な水やりや剪定などの栽培方法は以下の記事をご参照ください。


