厚い皮を切り、皮を剥がして食べるタイプの柑橘の代表と言えばオレンジを思い浮かべる方も多いと思いますが、今回はそんなオレンジを種から栽培し続けた記録です。
目次
オレンジの種を発芽させる試み
日本でよく見る果物の一つにオレンジがあります。ホテルの朝食で出てくる果物と言えばオレンジですし、オレンジは家庭でもよく食べられる果物です。
オレンジにも当然ながら種があります。他の柑橘同様オレンジの種は発芽させることができます。
オレンジの発芽
2022年9月ごろだったか10月に入ってからだったか、無造作に育苗ポットにまいた種がその年の10月中旬になって発芽していました。
オレンジにかかわらず柑橘類はおおむね1週間~数か月で発芽するようです。
発芽したオレンジは他の柑橘と見分けがつきません。柑橘類はほとんどがこの見た目をしているように思います。青々とした固めの葉が特徴です。
種はそのまま土にまけば発芽する
柑橘類の種は基本的にそのまま土にまいても発芽することが多いです。これまでポンカン、タンカン、文旦などいろいろ発芽させてきましたが、直接種にまくのが簡単で良いと感じています。
発芽しないか心配な場合は湿らせたキッチンペーパーで包み、乾かないようにして室温で保管しておくことでも発芽はするので、その方法も良いと思います。
これまでの経験上、キッチンペーパーで発芽させたこともあるのですが、キッチンペーパーで発芽させると植え替えの手間が発生するので、土にそのまままいても良いかなと思っています。
発芽時期は秋
今回のオレンジは10月に発芽したので季節は秋です。ただ、一般的に秋に発芽するというよりも、単に気温などの条件が合っていただけだと思われます。
我が家のある地域の10月の気温は25℃前後です。水を切らしてしまうと発芽に影響があると考え、どの種でも水は切らさないように注意しています。
オレンジは多胚性
オレンジは多胚性といって、一つの種から複数の芽が出る性質があるそうです。すべての種がそうだとは限らないと思います(単胚もある?)が、いくつか出てきたらそれらすべてを育てるか、間引くことになります。
オレンジに限らず、品種改良の過程においては単胚と多胚、多胚ならどの芽を残すかなどが大切になるようですが、個人のベランダ菜園レベルなのであまり気にしていませんでした。
そもそも種子から育てる果物は親の性質を継がないものが多く、時間もかかるためあまり効率が良い繁殖方法とは言えません。多胚性の場合は一つの芽を除いて他は親の性質を引き継ぐらしいのですが、その見分け方もそう簡単ではないようです(生長が遅いのが雑種(親と別の性質)で、それ以外が栄養繁殖(親のクローン)とする記述を見たことがあります)。
いくつか発芽しましたが、最終的に一つを残して育てることにしました。それがクローンであるかはよくわかっていません。
オレンジは種から何年で実ができる?
柑橘類は苗木を買ってきて、植え付けてから3~4年ぐらい育てないと実を付けないそうです。当然例外もあろうとは思いますが、苗木からでそのレベルなので、種からだと実がなるまで早くても6~7年はかかるのではないかと思います。
それに、雑種の種の場合、どんな性質を持っているかが全くもって不明なため、うまく結実するのか、どのぐらい開花するのかなど、未知のことも多く、何年待っても結実しないということも覚悟しなければなりません。
そのため、種子から果樹を育てるのは完全に趣味の領域となります。
オレンジの木を育てるのは難しくない
オレンジの木は特に注意していなくても順調に育っていきました。たまに固形の有機肥料を与えたり、害虫忌避目的にニームオイルを薄めたスプレーをかけているだけです。
後は土が乾燥してきたら適度に水を与える程度で特に問題は発生しませんでした。
オレンジの害虫
オレンジの木に害虫が付いているのは見たことがありませんが、ハモグリバエやアゲハチョウの幼虫が付くことはあろうかと思います。
オレンジの病気
今までオレンジの木が病気になったことはありません。比較的病気にも強いのかなという印象を持っています。
トゲには要注意
オレンジの木にはトゲがあります。まだ新しいトゲは非常に柔らかく、簡単に取ることができるのですが、固くなったトゲは簡単には取れず、しかも普通に人間の皮膚を貫くぐらいの固さになります。そのため、オレンジの木の剪定をしたり、作業をしたりする際は注意が必要です。
オレンジを収穫したいなら苗木を買った方が良い
種子からオレンジを育てるのは非常に楽しいです。発芽の様子やその後の生長の様子を見られるのも楽しみの一つでしょう。でも、本格的に収穫を目指す場合は接ぎ木苗などを購入した方が確実で早く収穫が楽しめます。
とはいえ、種子を見ると種まきしてみたくなる方も多いと思います。発芽自体はそう難しいものではないので、観葉植物感覚で育てるのはアリかなと思っています。
最後に
この種子から育てていたオレンジの木は、いろいろな事情があって処分することになってしまいましたが、発芽の様子や生長の様子を観察できたのは非常に楽しかったです。