1型のカメラセンサーを搭載したSHARP AQUOS R6の登場でコンデジ市場はさらに厳しくなったように感じます。そこで、最近のコンデジについて考えてみました。
目次
最近のコンデジ
直近1年で発売された主なコンデジは以下の通り。
- RICOH THETA Z1 51GB 全天球カメラ ※
- CANON PowerShot ZOOM
- LEICA Q2 モノクローム ※
- RICOH GR III Street Edition ※
- RICOH GR III Street Edition Special Limited Kit ※
- SONY VLOGCAM ZV-1
- SONY VLOGCAM ZV-1G シューティンググリップキット ※
「※」はすでに発売されているモデルの容量追加版や特別外観モデル、オプション付きモデルなどです。ということは、実質1年間に3モデルしか全く新しいコンデジは登場していないと言えます。
しかし、例えばCANONのPowerShot ZOOMを見ても、今までのコンデジとはコンセプトが違うように思います。片手で望遠鏡のように持つスタイルです。
SONYのZV-1は写真撮影よりもビデオ撮影に特化したモデル。
直近2年の新しいコンデジ
範囲を直近2年まで広げると以下のモデルも入ってきます。
- RICOH THETA SC2 for Business
- RICOH WG-70
- FUJIFILM X100V
- NIKON COOLPIX P950
- CANON iNSPiC REC FV-100
- RICOH THETA SC2
- OLYMPUS TG-6 工一郎
- SONY サイバーショット DSC-RX100M7
- SONY サイバーショット DSC-RX100M7G シューティンググリップキット
- NIKON COOLPIX W150
- NIKON COOLPIX W150 FLOWER LIMITED BOX
- CANON PowerShot G5 X Mark II
- CANON PowerShot G7 X Mark III
- LEICA V-LUX 5
- OLYMPUS OLYMPUS Tough TG-6
- RICOH RICOH G900
- RICOH THETA Z1
販売周期も関係あるとは思いますが、直近1年は数がかなり減っていることがわかります。各社、あまりコンデジには力を入れていないとも考えられます。
カメラの種類
今、一般的に写真を撮る方法を考えると以下の3通りが主流ではないかと思います。
- デジタル一眼
- コンデジ
- スマホ
中でもスマホで写真を撮るという人がかなり増えたのではないかと思います。写メールで写真を撮るという行為が一気に身近になり、写真が趣味ではない人も写真を撮る行為が当たり前になりました。
それから画質などにもこだわりたい人、望遠などしたい人などがコンデジやデジタル一眼を購入して写真撮影を楽しむようになったと思います。
動画撮影者の増加
YouTubeやニコ動などの動画投稿サイトの流行はもとより、個人レベルでも動画を撮影する人が増えたように思えます。
となるとカメラは動画機能の強化も余儀なくされるわけですが、現に多くのコンデジ、ミラーレス一眼は動画機能に力を入れている機種が多く発売されています。単に写真を撮るだけではユーザーを囲い込み出来なくなっていると言えるでしょう。
SONYのZV-1なんかは今までのRX100シリーズに酷似しながらも動画機能に特化したモデル。FUJIFILMのX100Vにしても4K動画を撮影可能としています。
コンデジの売れ筋は尖ったモデル
写真を撮りたい、動画を撮りたいだけではコンデジは選ばれなくなってきているのではないでしょうか。価格ドットコムの売れ筋ランキングは以下の通りでした。「※」に簡単な特徴を書きました。
- OLYMPUS Tough TG-6 ※タフモデル
- RICOH GR III ※APS-Cセンサー搭載単焦点モデル
- PowerShot ZOOM ※望遠鏡型モデル
- VLOGCAM ZV-1 ※RX100のVlogger向けモデル
そもそも1位がタフモデル。防水とか防塵とかの性能に優れているモデルということは、用途も特殊だと考えるのが普通でしょう。※個人的には普段雑に扱っても壊れにくいと考えると、魅力的ではあります。
GR IIIは多少マニア向けな気もします。いまだAPS-Cセンサーを搭載したスマホはありませんから、その意味ではランキング上位なのもうなずけます。しかし、ターゲット層はそれほど広くないでしょう。
CANONのPowerShot ZOOMもやはり変わり種。今までのコンデジとは違ったアプローチです。400mm(デジタルズームで800mm)まで望遠できてあの小柄なボディ。ただ、広角端の焦点距離が100mmということは、集合写真などは撮れないし、画質についても期待以下という意見も聞きます。スポーツ観戦では力を発揮するでしょうが、日常使いというモデルではなさそうです。
VLOGCAM ZV-1はVlogger向けモデルとはいえ、RX100に近いところもあり、もっとも従来のコンデジからの派生種と言うにふさわしいモデルだと思います。むしろこの領域で生き残っているのはZV-1だけと言っても良いかもしれません。CANONのG7-Xなども魅力的ですが、ZV-1も含めてSONYのRX100シリーズには勝てなかったように思います。ただ、この分野は徐々にスマホに浸食されてきた分野なので、今後はすたれていく可能性も高いでしょう。特にSONYはXperiaというスマホがありますから、そちらがコンデジを食ってしまう日もそう遠くないように思います。
まとめ
スマホカメラが進化すればするほどコンデジのシェアは低くなっていきます。そのため各社尖った製品を発売したり、生き残るための方策を練っている(もしくはもしかしたらもう撤退を検討しているメーカーもあるかも)状況かと思います。
数少ないコンデジの最新モデルも、物欲をそそられるモデルはありますが、今は様子見といった感じです。
フルサイズセンサー搭載、焦点距離24-200mm(開放F値3.0以下)、4K(30fps以上)撮影可、重量400g以下、なんてコンデジ出たら買いたいんですけどね。でもそれって一眼からのダウンサイズ化以外のなにものでもありません。