うわっ!なにこの梅!にっが(苦い)!!!と度肝のを抜かれたあの日以来、苦みとは何なのか、また、苦みから派生して渋みとは何なのかを考えてみました。
苦味とは
味覚には5つあると言われていて、それは以下の5つです。
- 甘味
- 酸味
- 塩味
- 苦味
- 旨味
苦いと感じる苦味は基本の5味覚の一つなのです。つまり味の一つ。どれも大切なものですが、個人的に好きなのは甘味、塩味。ただ、酸味があった方が美味しいものもあるし、旨味はわかりにくいけど足されることで美味しさが増すという不思議なものです。
ただ、この中で苦味だけは大人の味というか、他とちょっと違うように感じています。
○○味と付くもの
先ほどの5つの味覚以外にも「○○味」と「味」の漢字がつく言葉は多く存在していて、味覚とも関連がありそうなのが「渋味」です。ただ、5つの基本味に含まれていないように、味というよりも感覚に近いものなんだとか。「渋い」は味ではなく感覚。
ただ、「味」と「感覚」の違いと言われても、実際のところ、私にはよくわかりません。実に難しい。
渋味の正体
渋味を感じるものと言えば、渋いお茶、渋柿、ブドウの皮などでしょうか。渋味は苦味とは違います。何とも顔をしかめたくなるような感覚、それが渋味で、まさにブドウの皮を食べたときのあの感覚です。
渋味の含まれる食べ物に多く含まれているのがタンニンやポリフェノール、カテキンなど。これらは渋味の原因の一つではなかろうかと思います。ワインなどにも含まれていますね。
苦い食べ物
苦い食べ物と聞いて真っ先に思い浮かべるものはなんでしょうか。例えばピーマンは苦いです。ピーマンを食べられない子供も多いですよね。ピーマンは調理の仕方によっては、例えば炒めて塩を振るだけでも結構おいしいように思うのですが、苦いか苦くないかと問われれば、苦みは確実に含まれているので「苦い」が答えとなります。
苦味は「ビター」と表現されることもあります。ビターなものと言えばチョコレート。ビターチョコレートなんて言ったりしますよね。
苦味は味で、渋味は感覚ということは、対象物を食べたときに、味として認識されるものか、感覚としての物なのかで苦味なのか渋味なのかは判断できそう、とも思ったのですが、実際はよくわからない、というのが最終結論なようにも思います。
濃い緑茶を飲んだ時の、ちょっと「きゅっ」とするあの感じは味なのか感覚なのか。じゃあ、ブドウの皮は?チョコレートは?ん~はっきり言うのは難しい。
梅の苦味、渋味
梅ジャムを作った時、非常に苦いというか、渋いというか、なんとも食べづらいお味になってしまったことがあります。調べてみると梅は、加工前の生の梅の段階で、梅自身の品種によって苦味の強弱、渋味の強弱があるんだそうです。おそらくはそのどちらかが強く出ている品種だったのだと今では思いますが、あの時の味が「苦かった」のか「渋かった」のかは今でも判然としません。
梅にはポリフェノールが含まれます。ポリフェノールにも種類があり、植物によって含まれているポリフェノールが異なるようです。
- ピーマン:クエルシトリン
- 梅:ネオクロロゲン酸、クロロゲン酸(コーヒーポリフェノール)
- ブドウの皮:アントシアニン、レスベラトロール、タンニン
ポリフェノールは果実が熟したり、焙煎されるなどすると減少するようで、例えば梅を加工した食品に関しても、青々とした青梅を使用するよりも、熟した梅を使用した方が苦味、渋味は少ないのかもしれません。そういわれてみると、梅シロップは青梅を使用しており、そこで利用した梅を再利用して作った梅ジャムだったので当然青々とした青梅を使用していました。
梅の苦味、渋味を防ぐ方法
いろいろ考えていくと、つまるところ梅の加工品の場合、青梅の状態からエキスを抽出すると苦味や渋味が強く残った状態になるのではないかと思います。つまり、加工前か加工の工程の中で青梅を可能な限り熟させることにより、ポリフェノールが減少し、苦味や渋味が抑えられた加工品になるのではないかと。
そういえば梅干しはそんなに苦みや渋味を感じませんでした。青梅から作っていた梅シロップと梅ジャムが強烈に苦く、渋かったのでした。
渋抜きみたいなこともやったのですが、根本的に青梅だとそれも難しいということのようです。
梅に含まれる他のポリフェノール
梅には他に梅リグナンと呼ばれるポリフェノールも含まれていて、体に対して良い影響があると言われています。ただ、この梅リグナンと苦味、渋味の関係まではわかりませんでした。
追記:シアン化合物アミグダリン
梅の実(特に種部分)にはアミグダリンというシアン化合物が含まれていて、アミグダリンは苦いのだそうです。これも原因の一つかもしれません。
最後に
個人的なことを言えば、お茶は渋いです。苦いともいえるかもしれません。チョコレートも渋いです。これも苦いとも言えそうです。ブドウの皮も渋いですが、ブドウの皮はあまり苦いとは言わないように思います。ピーマンは苦いですが、あまり渋いとは言わないように思います。
ただ、それらが味と感覚の違いと言われても、なぜかしっくりこなかったりします。しかもそれらの両方が同居している植物も多いです。
少なくとも次に梅を使った加工品を作るときに注意すべき点はわかったので、次回(おそらく次のシーズン)には注意しながら加工品を作ってみようと思います。