ずっと気になっていたニームオイルをついに購入して使用し始めました。ニームオイルについてと、実際に使用した感覚などを書き記します。
天然由来系生物農薬のニームオイル
ニームオイルはインドに生えるニーム(インドセンダン)の種の殻から抽出されるオイルで、害虫忌避に効果が期待されているアザジラクチンという成分を含んでいます。
ニームの害虫忌避が期待される成分『アザジラクチン』の効果は短い
害虫忌避成分として注目されている、ニームに含まれる成分はアザジラクチン(アザディラクチン)という成分です。ミラクルな成分なわけですが、このアザジラクチンは熱に弱いという特徴があったり、そんなに長く効果が続くものでもないそうです。なるほどインドでもニームの種の搾り汁を7~10日に1回程度散布したり、雨季にはさらに短い頻度で散布するわけですね。
ニームオイルを唐辛子スプレーなどとルーティーンを組んで定期的に散布するのが良いかもしれませんね。
アザジラクチンは主に種に含まれる
ニームは種に虫の忌避成分が多く含まれており、ニームオイルは種の核をを砕いたものから抽出するそうです。つまり、種が大切ということなのですが、例えば茎や葉にもその忌避成分が含まれていないわけではないそうです。とはいえ、一般に害虫防除で使用されるのはニームオイルが多いのではないかと思います。
ニームって安全なの?
我が家(台湾)の近所の種苗店などでニーム関連の商品は売られていません。買うならネット通販になるのですが、もしかしたら台湾ではそんなに一般的ではないのかも?
台湾のニーム事情
私の住む台湾では天然素材でも害虫防除に一定の効果が期待できる資材に関しては農薬管理法により農薬として登録することになっていますが、安全性が高いものに関しては農薬としての登録は免除され、その代わり2015年新設の免登記植物保護資材へ登録することとなりました。これは製品ごとに行われ、それぞれの商品に登録番号が振られます。
私が入手したニームオイルも台湾では行政院農委會動植物防疫檢疫局によって免登記植物保護資材に登録されています(植保製字00069號)。
これは天然資材を用いた安全性の高い生物農薬の普及を目的とした一連の政策の一環で、農薬登録ではなく免登記植物保護資材に登録されたものは通常の農薬登録されたものと比べ、安全性が高いものであると言えます。台湾では「人畜無害」として販売されていました。
アメリカのニーム事情
アメリカ合衆国環境保護庁(US EPA)もコールドプレスニームオイル(Cold Pressed Neem Oil)はラベルの指示に従って使用すれば、人間やその他の非標的生物に有害な影響を与えることはないとしています。
日本のニーム事情
日本において、ニームオイルの有効成分とされるアザジラクチンは以前厚生労働大臣が「健康を損なうおそれのないことが明らかであるもの」と定める物質として暫定的に定められていましたが、農作物への残留量の情報が不足していることと、海外では一日摂取許容量や急性参照容量が設定されていることを理由に、2017年に食品安全委員会により上述の対象から削除されたそうです。これは、危険だから削除したというよりも、安全だと言い切れないから削除したという判断のように感じます。
これらのことから、ニームオイルは比較的安全に使うことができる生物農薬であると言えそうです。ただ、製品ごとのラベルに書かれている用量用法を守ることは絶対条件になろうかと思います。
実際、ネズミを使った実験では、投与量が増えれば増えるほど不妊になるなどの影響が顕著になったようですし、アメリカのとあるウェブサイトでは、ニームオイルを子供が経口摂取してしまい亡くなるという痛ましい事故が報告されていました。
ニームオイルの使い方
商品によって使い方は異なるので必ずパッケージで確認し、指示の通りに使ってください。私が購入したものは300~500倍に薄めて使うと書かれていたので、その通りにしています。
300ml入るスプレーボトルなので、1ml~1.6ml程度のニームオイルを入れて、残りは水道水を入れ、混ぜてからスプレーしています。
害虫被害がひどいところはピンポイントでかけたりもしますが、環境全体にもスプレーするようにしています。
どちらかというと害虫忌避を期待する唐辛子ニンニクスプレーなどの仲間という感じの使い方にしています。
ニームオイルの効果
定量的に効果を測っているわけではないのではっきりとはわかりません。それに、唐辛子ニンニクスプレーなどの他のスプレーも併用しているので、必ずしもニームオイルのおかげとも言いづらい状況になっています。
最後に
なんでも、極端な使い方をすれば毒になったりします。少なくとも天然資材を用いたニームはそれだけでかなり安心感がありますが、用法用量を守ることが大切になります。上手に使ってベランダ園芸をもっと楽しみたいと思います。