観霧国家森林遊楽区にある台湾の名前が入った桜「霧社櫻」の大木

台湾の固有種である「霧社櫻」は各地で見られるようですが、観霧国家森林遊楽区にある「霧社櫻王」と呼ばれる霧社櫻は14mにもなる大木なんだそうです。今日はそんな霧社櫻のお話です。

桜という木はそもそも日本だけに生えているものではなく、中国や韓国にも自生している植物です。それぞれの土地に固有種などがあり、日本で言えばオオシマザクラなどは日本固有種として知られています。

ここ台湾にも台湾固有種が存在します。それは霧社櫻です。英語名を「Prunus taiwaniana」といい、後ろに「taiwan」が含まれています。前の「Prunus」はサクラ属やスモモ属を表します。

台湾で霧社櫻を見れる場所

この霧社櫻をこの目で見たいと思い、いろいろと調べてみました。まずは以前にも紹介した林務局のホームページでその特徴などを調べました。しかし、海抜1000~2100メートルに生えるということや、霧社櫻自身の特徴はわかったのですが、どこに行けば見れるのかまではわかりませんでした。

そこでInstagramでも「#霧社櫻」で検索したところ、いくつかヒットしました。

観霧国家森林遊楽区の「霧社櫻王」

もっとも多いのがこれ。「王」と付いているだけあって、台湾で最大の霧社櫻なんだそうです。その写真は圧巻。白くて小さな花が無数に花開き、手すりを越えて道にはみ出している姿はとてもきれいで壮観です。

桜は開花期がかなり限られるので、そのシーズンに行かないと花を拝むことはできません。そしてこの観霧国家森林遊楽区というのは苗栗県の山の上にあります。そう簡単に見せてはくれないようです。

台北から車で行く場合、2時間50分ぐらい。

萬里山園の霧社櫻

Instagramで「#霧社櫻」というタグを付けた写真の多くは先ほどの「観霧国家森林遊楽区」のものでしたが、その中に混じって「萬里山園」というのもありました。

萬里山園というのは新竹県のこれまた山奥。

台北から車で行く場合、2時間半ぐらい。

そのほかの地域で見れる霧社櫻

ほかに中巴陵櫻木花道、武陵農場、阿里山国家森林遊楽区、奥万大国家森林遊楽区、杉林溪花卉中心(杉林溪森林遊楽区)、福壽山千櫻園でも「#霧社櫻」というタグを付けた写真が見られましたが、かなり少なく、信憑性が低いか、あまり目立たないのかもしれません。

というのも、Instagramでは「このタグで写真検索している人に見てほしい!」という目的でタグを付けている方がいて、その場合、そのタグとは関係のない写真だったりすることもあります。そのため、よく確認しなければなりません。

霧社櫻を見に行くのはちょっと遠いから自宅で育てることを考える

以前書いた通り、台湾の林務局が一時期一般向けに霧社櫻の苗を販売していました。しかし、本記事執筆時にはもう一般向け販売は終わり、業者限定になってしまっています。

じゃあ、霧社櫻の苗はもう手に入らないのかと思い、台湾のネット通販サイトを見てみました。すると、ネット通販サイトでは普通に販売されていました。さすがネット通販。霧社櫻ってそんなに珍しくないのか?なんて思ってしまいました。

20cmぐらいの苗で100元だから親切プライスだと思います。実生苗っぽいです。ほかに種も売られていました。買うなら種を買って自分で発芽させたいなとも思ったのですが、結局お金を出して買うなら、苗を買った方が確実で早いです。

霧社櫻はベランダで育てられる?

先ほど書いた「観霧国家森林遊楽区」の「霧社櫻王」のようになるまでには最低でも80年ぐらいはかかるでしょう。というのも、霧社櫻王は最低でも樹齢80年は超えていると考えられているからです。高さは14m。いや、これはベランダで育てられるものではない、ということではなく、そもそもそこまで大きくするのは簡単ではないと思われるので、ベランダならベランダの育て方をすればよいのです。

ただ、海抜1000~2100mに生えるというのが気になるところ。我が家のベランダは海抜何メートルでしょう。Googleマップで調べてみたところ、海抜100m以下のところにあるので、おおむね100m以下であることはわかりました。

近所の公園ではなぜか桜の木が植栽されているのを見かけます。ただ、それはここ数年の話で、定着したものはあまりありません。ほとんどが失敗に終わっているようです。定着したものの多くは台湾山櫻花と呼ばれるタイプの、赤色の濃い桜です。それ以外では、民家で数軒桜を植えている方がいるのを除けば、特に公園などでは定植に失敗しています。

どの種類の桜が台湾の平地で咲くのか研究されている方もいて、その方によれば、染井吉野、昭和櫻、河津櫻、富士櫻(台湾の品種)、福爾摩沙櫻、そして一番メジャーな台湾山櫻花は台湾の平地でも咲く可能性があるそうです。そして、北部に行けば行くほど咲く可能性はたかくなるとのことでした。

つまり、桜は結構環境を選ぶということが言えそうです。

最後に

山は植物の宝庫。植物に癒されに行くならやはり山に行くのが手っ取り早いです。でも、その山が家からちょっと離れていると、すぐに行って帰ってくるということができません。いつか「観霧国家森林遊楽区」の「霧社櫻王」をこの目で見てみたいなと思いつつ、さらに有名な阿里山の桜も見てみたいなとも思っています。

台湾にはいわゆる国立公園とか森林保護区みたいな場所が複数あるので、そういう場所にも今後行ってみたいと思っています。