我が家のキッチンは積年の油汚れがほぼ手つかずの状態で放置されており、それをどうにかせねばと思いつつも結局何もせずという状態が続いていましたが、この度、花王のキッチンマジックリンハンディスプレーを入手して掃除してみたので結果を報告します。
目次
汚れの種類に応じた洗剤を使う
日常的な汚れというのは結構水拭きだけでも落ちたりするものですが、汚れの種類によってはなかなか落ちないものもあります。
なかなか落ちない汚れには洗剤を使うと良いのですが、洗剤は用途に応じて使い分ける必要があります。
私は水垢にはクエン酸、手垢などには重曹を使うことが多いのですが、これらでもしつこい油汚れを落とすのは簡単ではありません。しつこい油汚れにはアルカリ性の洗剤を使います。
アルカリ性洗剤 キッチンマジックリン ハンディスプレー
しつこい油汚れに評判がよかった花王のキッチンマジックリンハンディスプレーを購入してみました。
成分表示を見ると界面活性剤、泡調整剤、アルカリ剤と書かれており、アルカリ性の洗剤であることがわかります。
界面活性剤は1%のアルキルアミンオキシドとのことですが、アルキルアミンオキシドはアルカリ性の洗剤だけではなく、いろいろなものに利用されている界面活性剤で、必ずしもこれがしつこい油汚れに対してもっとも重要な役割を果たすというわけではなく、むしろアルカリ剤の方が油汚れには重要なようです。
アルカリ剤とは
アルカリ剤とは炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの成分を指しますが、炭酸水素ナトリウムは弱アルカリ性の物質、水酸化ナトリウムは炭酸水素ナトリウムよりも苛烈なソーダ(苛性ソーダとも呼ばれます)、水酸化カリウム(苛性カリとも呼ばれます)も水酸化ナトリウム同様に強いアルカリ性を示し、油汚れの分解に用いられます。
業務用のアルカリ性洗剤には主に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが多く使われているようです。これらは毒物及び劇物取締法で劇薬と指定されています(水酸化ナトリウム5%以下、および水酸化カリウム5%以下は除く)。炭酸水素ナトリウムは毒物及び劇物取締法には該当しません。
今回私が入手したキッチンマジックリンハンディスプレーにはエタノールアミンと呼ばれるアルカリ剤が含まれています。エタノールアミンは弱塩基、つまり弱アルカリ性です。
エタノールアミンはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンがありますが、モノエタノールアミンは毒物及び劇物取締法で水酸化ナトリウム、水酸化カリウム同様に劇物に指定されています(モノエタノールアミンは含有量20%以下を、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムは5%以下を除く)。ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンは毒物及び劇物取締法には該当しません。
まとめると、アルカリ剤と呼ばれる物にはいくつか種類があり、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどは強アルカリ性で、業務用洗剤などに使用されます。そして炭酸水素ナトリウムやエタノールアミンなどは弱アルカリ性で、今回手に入れたキッチンマジックリンハンディスプレーにもエタノールアミンが使われています。
石鹸にしてしまうことで汚れを落とすアルカリ性洗剤
水酸化ナトリウムも水酸化カリウムも石鹸の原料です。
石鹸は油、水分、水酸化ナトリウム(もしくは水酸化カリウム)などから作られます。石鹸は、油を水酸化ナトリウムなどで中和するケン化法(もしくは中和法)で作られます。ケン化は漢字で書けば鹸化で、読んで字のごとく石鹸にしてしまう反応のことです。
油脂と水酸化ナトリウムなどが反応すると石鹸の成分が生成され、その石鹸の成分が油脂を乳化させ、さらに水酸化ナトリウムと反応が進んで乳化した油がどんどん石鹸に変わっていきます。
アルカリ性洗剤はこの反応を利用したものです。そのため、油汚れを落とすために必要なのはアルカリ剤で、石鹸を作るレベルの場合、アルカリ剤は水酸化ナトリウムなどの強アルカリが使用されます。
弱アルカリ性ではありますが、キッチンマジックリンハンディスプレーに含まれるエタノールアミンもアルカリ性の洗剤です。
実際にキッチンマジックリンを使った結果
今回使ったのはキッチンマジックリンのハンディスプレー400mlと呼ばれる商品です。マジックリンにはトイレマジックリン、ガラスマジックリン、バスマジックリンなどもありますが、今回はキッチン周りの掃除が目的だったのでキッチンマジックリンにしました。
今回はキッチンマジックリンを五徳とレンジフードに使ってみました。
五徳の焦げには効果が薄い?

五徳は当然油も付いていれば焦げも付いていて、決してきれいな状態ではありませんでした。
そんな五徳にキッチンマジックリンをスプレーして5分ほど放置し、そのあと水とスポンジで洗ってみました。
結果は想像の域を出ず、確かにキレイにはなっているものの、劇的にキレイになったかというとそうではありませんでした。
キッチンマジックリンは焦げを落とすとはどこにも謳われていませんし、事実、焦げを全て落とすことはできませんでした。
実際焦げを落とすための洗剤ではないので、焦げまで落とすことは期待するのは間違っています。焦げは地道に削り落とすことにします。
レンジフードの油汚れには効果てきめん!

レンジフード周りにもしつこい油汚れがたまっています。前回掃除したのはいつだろうと思わせるほどに汚れていたレンジフードだったのですが、スプレーしてすぐに茶色い液が垂れてきて、泡も少しずつ茶色くなっていきました。
やはり油汚れには強いです。ただ、業務用の物と比べると効果は劣るので、日常的な用途に限られるかなというのが今回使ってみた印象です。
でも、日常の掃除にキッチンマジックリンを使ったらどんどんキレイになっていく予感がします。これはいいものを買いました。
最後に
今回は評判の良かった花王のキッチンマジックリンハンドスプレーを使ってキッチン周りを掃除してみました。
劇的に、とは言わないものの、日常の掃除程度なら十分に力を発揮してくれると思わせてくれる結果を得られました。
ちなみに今はリンレイの「ウルトラハードクリーナー油汚れ用」が気になっています。なぜならウルトラハードクリーナー油汚れ用には水酸化ナトリウムと水酸化カリウム、そして溶剤が含まれており、もしかしたらかなり高価が高いかもしれないからです。いつか入手してみたいです。