冬の楽しみと言えば金柑を食べること。スーパーや市場に金柑が並ぶのを今か今かと待っていた私でしたが、今冬もようやく金柑が手に入りました!ただ、想定の範囲内ではあったものの、苦く、酸っぱい金柑でした。そんな時はマーマレードジャムにすれば解決!今回は冬の手仕事「金柑のマーマレードジャムづくり」です。
目次
金柑手に入れたら苦みを抑えてマーマレードジャム作ろう
金柑と言えば冬を代表する果物の一つ。私の住む台湾でも12月末ごろからスーパーや市場に並び始めます。
金柑は生食できる果物です。子供のころ食べた金柑は皮は甘く、中は酸っぱい印象でしたが、最近の金柑は酸味が抑えられた品種が開発されて、中まで美味しく食べられるものも登場しています。
今回手に入れた金柑は購入したものではなく、知人が家庭で育てている金柑の木から収穫したものです。この金柑、昨年にもいただいたのですが、非常に苦く、酸っぱい金柑です。その知人も知っていて、私がマーマレードジャムにすることを見越して分けてくださったのでした。楽しみをありがとう!
ということで、今冬も金柑のマーマレードジャムづくりに挑戦しました。
金柑の苦味を抑えるためにやっていること
金柑には苦味がある場合があります。私がここ数年いただいている金柑も苦いものです。そのまま食べてもいいですが、ジャムにすればもっと美味しく食べられます。
しかし、苦味を取らないことにはおいしいジャムはできません。そこで、苦味を取るために今回も対策してみました。
金柑の苦味を取るためにした対策は煮こぼしと砂糖を多く入れる、の2つです。
煮こぼしすれば苦味が取れる!
苦味の対策でよくあるのは煮こぼしです。煮こぼしして苦味をお湯に出し、そのお湯を捨ててから再度新しい水を加えて煮ていくことで、完全とは言えないものの、もともとの状態よりも苦味が少なくなるというもの。私は煮こぼしすることを苦味対策の主軸としています。
煮こぼしは吹きこぼれとは違います。鍋からゆで汁をあふれさせる必要はありません。むしろあふれさせると大変なことになるので、あふれないように気を付けましょう。
砂糖控えめだと苦くなる!
以前、砂糖を控えめにしてカラマンシーという柑橘のジャムを作ったことがありましたが、その時は非常に苦いジャムになったことを記憶しています。
砂糖の量が少ないと、苦味をごまかしきれないのではないかと思います。苦味の強い素材を使う場合はしっかり砂糖を入れたジャムにすると良いです。
コンポートに苦い素材はダメ!
基本的に砂糖40%以上の物をジャムと言い、砂糖の量が40%に満たず、素材の原型が崩れていないものをコンポートと言うそうです。コンポートは砂糖が大体30%ぐらいで、ジャムよりも砂糖の量が少ないです。
そのため、苦い素材を使ったコンポートを作った場合、砂糖の甘味で苦味をカバーすることができず、苦味の残ったコンポートになることが考えられます。
そのため、苦いとわかっている金柑などは、コンポートにせず、ジャムにするのが良いです。
今回私が作った金柑マーマレードジャムは調理する前の砂糖量が材料(皮と中身の煮汁を足したもの)に対して50%、水200gも含めた量だと砂糖が約31%でした。そして、調理して水分が多少飛んだあと、完成した物の重量で考えると砂糖分が42%程度のジャムになりました。ギリギリジャムと言って差し支えないかと思います。で、実際この砂糖量で問題なくおいしいジャムになりました。苦味を強く感じることはありませんでした!
なお、1年前にも同じ金柑でマーマレードジャムを作っていますが、その時はもしかしたら砂糖が40%以下だったかもしれません。
実際の金柑マーマレードジャムの作り方
金柑マーマレードジャムづくりを要約すると、金柑の皮と中身を分け、種を取り、砂糖と水で煮ていく、となります。非常に簡単です。
材料
材料は非常にシンプルです。レモン汁は入れませんでした。今回はこの分量で作りました。
- 金柑 450g
- 砂糖 170g ※今回は三温糖を使用しましたが白砂糖の方が色はキレイになります
- 水 400g(金柑の中身を煮るのに200g、皮を煮るのに200g)
砂糖の量は、金柑の皮を剥き、中身を水で煮て濾した後に残った煮汁と皮の重量が340g程度だったのでその半分の分量の170gとしました。煮詰める前の全体量に対して50%の砂糖量です。
水を入れるのは苦味取りのため?
イチゴでジャムを作る時、私は水を入れません。ブルーベリーでジャムを作る時も、私は水を入れません。それなのに、金柑でマーマレードジャムを作る時は当たり前のように水を入れます。
マーマレードジャムに水を入れるのは、水分を足すためです。イチゴやブルーベリーなどと違い、金柑の果皮を使ったマーマレードジャムの場合、水分が足りず、金柑の砂糖焼きになってしまう可能性があります。金柑の砂糖焼きになるのを防ぐために水を入れています。
水を入れることで苦味が取れればもっと良いですが、残念ながらそのような効果を期待して水を入れているわけではありません。
レモン汁を入れなかったのは苦味取りのため?
ジャムによく入れるレモン汁は、レモン汁に多く含まれるペクチンと砂糖が反応してゼリー化することを期待して入れます。
今回はレモン汁を入れませんでした。その理由は金柑にもペクチンが含まれているからです。特に種に多いのだとか。レモン汁を入れなかったのは苦味取りのためということではありません。
手順
- 金柑を縦に4つ切りにし、皮と中身を分け、皮は5mm幅ぐらいになるよう細切りにする
- 中身を鍋に入れ、200gの水で10分ほど煮る
- 別の鍋に皮と分量外の多めの水を入れ、煮立たせ、5分ほど煮てからゆで汁を捨てる
- 「2.」をザルで濾し、残った汁を「3.」と合わせ、砂糖と水200gを入れる
- 「4.」を煮詰めて皮の色が変わって粘度が高くなってきたら完成
完成した物は煮沸消毒した耐熱の瓶などに入れます。
以前は複数回煮こぼしていたのですが、今回は1回だけでも苦味を感じないマーマレードジャムができました。
完成品
マーマレードジャムは果肉が果皮がおいしいジャムだと思っていて、これぐらい果皮がゴロゴロ入っていると個人的にはものすごくうれしくなります。
コンポートとは違い、しっかり砂糖が入っていて、パンに塗っても美味しいです。果皮が大きいから塗るというより乗せる表現した方が良いかもしれません。
最後に
金柑マーマレードジャムの苦味は煮こぼしと砂糖をしっかり入れることである程度防ぐことができます。どうしても苦くて生で食べられないような金柑がまた手に入ったら同じようにマーマレードジャムにしてみようと思っています。
なお、このマーマレードジャムを食べた後に苦いコーヒーを飲んだので結局口の中は苦くなりました。