街路樹は枯れていたけど大丈夫?ベランダでイヌマキを育てる!

我が家の近所にはイヌマキの木がたくさん植わっていて、生け垣のようにされているものや、盆栽のように枝が曲げられているものがあります。

我が家でも種から発芽させたイヌマキの実生苗があり、それをベランダで育てています。実践している育て方や、育てるうえで感じたことなどを共有します。

イヌマキはマキの木の仲間

イヌマキの花
イヌマキの花

漢字で羅漢松と書く台湾のイヌマキ(Podocarpus macrophyllus)。日本には羅漢槙/ラカンマキ(Podocarpus macrophyllus var. maki.)というイヌマキの変種もあるそうですが、写真で見る限り、台湾の羅漢松は日本語のイヌマキに近いのではないかと思われます。

イヌマキの樹形

台湾ではイヌマキを盆栽のような樹形にすることが多いようで、よく針金をかけられた庭木を見かけます。また、街路樹としても植えられているのですが、それらもまた玉散らしのような樹形をしていることが多いです。

常緑樹で生垣にも利用

生垣として利用する場合、例えば目隠しとして車止めのすぐ隣に数本のイヌマキを並べて配置していたりします。

生垣の場合は高さ2mぐらいにそろえている場合もあります。常緑樹なので生垣にも良いですね。

イヌマキの苗は園芸店で大量に売られている

園芸店でイヌマキは購入できます。早く大きな苗を入手したい場合は園芸店やネット通販などですでに大きくなった苗木を購入すると良いと思います。

台湾でイヌマキの幼苗の寄せ植えは幸せを呼ぶ?

台湾ではイヌマキの寄せ植えのような形で、種から発芽したばかりのイヌマキの苗が大量に小さな鉢に植わった状態の商品が園芸店などで売られています。これらは風水の関係で幸せを呼び込むと言われているものです。

イヌマキの値段

値段はピンキリです。ただの苗として売られる場合は日本円で100円程度と安く売られている場合もありますし、風水アイテムとしてキレイな陶器の鉢に入っている場合は日本円で1万円ぐらいするものもあります。

イヌマキの種はわかりにくい

イヌマキ
イヌマキ

イヌマキの実は種が飛び出た形をしています。どちらが実でどちらが種なのか最初は困惑しました。黒(紫?)っぽい実に緑の種部が付いた形状です。

イヌマキの種は先端の丸い緑の方

種まきをしたい場合は種部分と実部分をしっかり見極める必要があります。黒っぽい、紫っぽい部分が実で、緑っぽい方が種です。形状的には実よりも種の方が丸く、種は先端に付いています。

豆部分は子葉ではなく胚乳

イヌマキの発芽
イヌマキの発芽

イヌマキの発芽の様子を見てみると、もともと種だった部分がかぶさったような状態で発芽します。それが土中で取れてから芽を出すケースもあったのですが、この部分が開くような構造になっておらず、かぶったままの場合、どうやら葉が展開するのを阻害するようです。

問題はそれがなかなか取れないこと。強引に取ろうとしたら葉が切れてしまいました。簡単に取れないなら放置した方が良いかもしれません。私は結局ほとんどを放置しました。

この部分は胚乳と呼ばれる部分で、発芽の際の栄養を供給する役割を持っているのだそうです。

イヌマキの種を土に埋めると発芽する

イヌマキ
イヌマキ

播種はこの種部分のみを使います。種部分を土に埋めて水を上げ続けると数日で発芽します。

発芽率はあまりよくない

挑戦したのが11月で、発芽率はあまり良くありませんでした。大体1/3程度の発芽率でした。

胚乳の周りの殻はそのまま埋めてOK

当初、もしかして殻に包まれているのかなとか、そのまま土に埋めて良いものか悩みました。発芽してからの様子を見る限り、確かに殻に包まれていたようなのですが、しっかり発芽したので、そのまま埋めて問題なかったようです。特段殻を剥く必要はないようです。

イヌマキの発芽に使った土

特別な土は使わず、その辺にあった古い培養土を使いました。今回使った土は、イヌマキに使う前にいくつかの種を植えたのに発芽しなかったもので、もしかしたら土が悪いのかもと疑っていたものです。イヌマキは、発芽率はあまり良くなかったものの、無事に発芽してくれました。

樹形づくりについて

盆栽は中国で生まれ、日本でそれが発展し、世界的にBonsaiという日本名で呼ばれることも多いものですが、台湾の盆栽はちょっと日本の盆栽とは樹形が違うように思います。

日本では基本の樹形と言うのがある程度決まっていて、そこにさらにいろんなテイストを加えていくようなのですが、台湾の盆栽を見てみると、幹がクネクネと曲線を描くように、場合によっては輪を描くように曲がっているものが多いです。

樹形づくりはセンスが問われます。自分の家の木なら自由にいろんなことが試せますね。

台湾のイヌマキは幹がカーブしているものが多い

街路樹となっているイヌマキも樹形が作られている場合が多いのですが、幹が曲線を描いている場合が多いです。

生垣ならまっすぐ2mぐらいの高さになっているものも多い

生垣にするならそのまま真っすぐ伸ばし、生垣のサイズに合わせて剪定をすればよいと思います。鉢植えにするなら上述の玉散らしという樹形が良さそうです。いくつか発芽しているのでいろいろ試してみるのも良いかもしれませんね。

最後に

街でよく見かけていたイヌマキをついに手に入れました。栽培場所は我が家の狭いベランダです。街では街路樹や生垣、庭木として利用されているイヌマキですので、我が家でもそれらのどれかに挑戦していきたいと思います。地植えではなく鉢植えになるので、多少管理の仕方も異なると思いますが、一つ一つ研究しながら育てていきたいと思います。

そういえばイヌマキってどのぐらいで開花、結実するのでしょうか。また、実生で種から育てるものなのでしょうか。まだまだ分からないことだらけなので、調べながら学んでいきたいです。