【台風上陸】台風3号ケーミーで台湾は大打撃!復旧はいつ?

7月24日深夜、台湾に上陸した台風3号ケーミーはここ数年見ないような猛烈な勢いで、台湾では床上浸水や道路冠水、建物の被害、人的被害をもたらしました。

筆者も台湾に滞在中のため、実際の台風3号についてまとめていきます。

桁違いの台風3号

台湾は日本同様に台風が良く来る場所として有名で、台湾に滞在している筆者もこれまでにいくつかの台風を経験してきました。

毎度台風が上陸すればそれなりに風や雨で被害はあるのですが、それでも家の中から出なければ比較的安全であると今までは感じていました。

しかし今回の台風は今までの台風とは規模が違い、多くの被害をもたらしました

風圧で窓が割れる

風圧で窓が割れてしまった家も多くあります。ロックをしていなかった窓が風であおられてしまったんか、開いてしまっている家もありました。

窓が割れたのが風圧によるものか、ロックしていなかったがために窓が勢いよく開いてしまって割れてしまったのかは定かではありませんが、聞いた話では風圧で割れたとのことでした。

窓ガラスの品質は当然時代によっても異なります。どの程度の強度のある窓ガラスかはわかりませんが、窓ガラスが風の力だけで割れるとなると、それはかなりの強風であったことがうかがえます。

我が家の窓が割れることはありませんでしたが、確かに勢いよく窓ガラスに吹き付ける風は恐怖でした。

飛来物が危険すぎる

街を歩けばビルのタイルや台湾ならではの看板、屋根に張られた鉄板などが剥がれ落ち、それが宙を舞ったりそのまま地上に落下したりしました。

ビルの外壁が崩れ、下にあった車の後部座席が下敷きとなってしまったという痛ましい事故もありました。

台風は風と雨をこらえられても、飛んでくるもの、落ちてくるものがあるため、やはり外は危険です。

街路樹が倒れる

これまでも台風が来ると木が折れたり、中には倒れてしまう木もありましたが、今回はその数量が桁違いで、場所によっては同じ通りの街路樹が続けて複数本倒れてしまったような場所もあります。

植物好きとしてはこういうニュースは悲しくてやりきれません。自然というのは時に残酷です。

水害と断水

台湾南部の高雄を中心に浸水被害、特に道路冠水も顕著でした。道路が冠水してしまっていて、車が思うように動けない状態が各地で発生しました。

そんな中、電気自動車はエンジンを搭載していないからと水陸両用車のごとく道路走行を試みる強者もいたようですが、専門家によるとエアコンの通気口から車内に水が進入する上、そもそも水の中を走るのは故障の原因となるのでやめた方が良いとのことでした。

冠水などの影響で断水した地域もありました

土砂崩れ

台湾各地で土砂崩れも発生し、その影響で電車も一部運休となりました。

土砂崩れで分断された地域では、台風直後にコンビニへ行ったらコンビニなどで売られているものが減ってきていたという話も聞きました。これは皆が我先にと買いあさったか、もしくは物資(仕入れ商品)が届きにくくなっているかのどちらかだったのでしょう。

停電

地域によっては停電も発生していたようです。我が家も時折電気が消えそうになり、不安定な状況が続きました。

停電が発生すると明かりがつかないだけでなく、冷蔵庫も冷却できなくなりますし、電気ボイラーを使っている家庭の場合、お湯も出なくなります。

行政院の通勤・通学停止命令

台湾では台風をはじめとした自然災害などが発生し、通勤や通学に危険を伴ったり、物理的に困難であると判断されたとき等にそれらの通勤や通学の停止命令が出されます

台風によるこの停止命令を人々は「颱風假(台風休み)」と呼び、実際台風が近くなって風や雨が強くなると家にいる人がほとんどですが、ある程度納まると外出する人も多くいます。予報が外れて意外と風も雨も弱いなんてこともあり、そんな時は多くの人が外に出かけるようになったりもします。

今回の台風で、例えば台北は7月24日と25日の二日間がこの台風休みとなりました。台風休みが二日にわたることは非常に稀で、「過去にこんなことあったか?」と話す人もいました。

我が家の被害

台風3号の影響で倒れた植木鉢
台風3号の影響で倒れた植木鉢

地域によって今回は被害の大きさにかなり差がありました。被害が大きかった地域は高雄と花蓮だそうです。

我が家も多少ですが被害がありました

網戸が裂ける

いくつかの網戸が強風で破れてしまいました。もともと傷んでいたものもありましたが、強風で傷口から一気にめくれあがってしまいました。

ベランダの植木鉢が倒れる

台風の威力をなめていて植木鉢をベランダに置きっぱなしにしていました。そのため、いくつかの植木鉢は倒れてしまい、枝葉もいくらか傷つきました。

それでも株全体がダメになったものは一つもなく、他所と比べれば、比較的マシな被害状況だったのではないかと思います。

壁や換気口から水漏れ

我が家の壁のコンクリートはたくさんひび割れしていて、そこから水が入り込んだり、出窓が密閉されていないためつなぎ目から水漏れしたりしました。よく見ると換気口のダクトが壁から出ているところも水漏れしていました。

水漏れはジワリジワリと進行していたので対策のしようもあり、大して大きな被害は発生しませんでした。大家さんに聞いたら、この水漏れは30年以上前から発生しているもので、台風が来ると良く発生するのだとか。それで、直しようがないみたいな話でした(かなり大規模な工事になってしまうとか?)

復旧はいつ?

現在、主な問題になっているのは土砂崩れによる道路や線路の分断です。それらは本記事執筆時でもまだ一部が復旧できていません。特に嘉義の辺りと花蓮の辺りは被害が大きいようです。

とはいえ、多くの主要幹線は突貫工事で数日内に開通させており、そのスピードは目を見張るものがあります。

一方、4月の地震で大ダメージを受けたタロコ渓谷などは台風の被害も相まってまだまだしばらくは復旧できない場所もありそうです。とはいえ、政府の方はタロコ渓谷の復旧にも前向きなので、いつかはまたきれいな姿を見ることができるでしょう。

タロコ渓谷のある東部の花蓮に関しては地震と台風の被害が甚大で、観光業を中心に大打撃を受けているそうです。花蓮に関しては復興も期待したいところですね。

最後に

台湾は2024年4月3日および23日の花蓮地震、それからこの台風ケーミーの影響でかなりのダメージを受けたように思います。

復旧も進んでいるので、将来、いつかは以前のような状態に戻るのではないかと思います。

なお、今回の台風で台湾では10名の方が亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りいたします。