海鮮丼に添えられていたシークワーサーの種が発芽するまでにしたこと

台湾の回転ずしチェーンと言えば「爭鮮」。主要都市を中心に多くの店舗を展開しています。回転寿司ですので当然店内で食べることもできますが、中には持ち帰り専門店もあります。先日海鮮丼を購入したところ、中に柑橘類が入っていて、種もあったので植えてみました。

海鮮丼に入っていた柑橘類の種は発芽する

海鮮丼に入っていた果実の種を発芽させました
海鮮丼に入っていた果実の種を発芽させました

食べ物の中にはまだ発芽する能力を有したままの物が存在します。それを発芽させた育てたり、再度生長させたりすることを再生栽培などと言ったりしますが、今回はシークワーサー(仮)の再生栽培です。海鮮丼から取り出して発芽させました。

台湾でよく見かけるスダチのような柑橘類「金桔」の正体

台湾では小型の柑橘類で「金桔」と書かれているものがよく売られています。形はまん丸で、直径1.5cm~3.0cmぐらいでしょうか。緑の状態で売られていることが多いですが、オレンジに熟したものも見たことがあります。

似た柑橘類に「金棗」というのがあるのですが、こちらはナガミキンカンのことで、見た目も細長く、見ればすぐに違いが判ります。ナガミキンカンは主にオレンジ色の熟した状態で販売されます。

さて、前者の金桔ですが、金桔はシークワーサー説とカラマンシー説があります。シークワーサーとカラマンシーは学名からして違うのですが、見た目が非常に似ています。収穫時期や酸味の具合に違いがあるとのことなのですが、それこそ二つを並べて順番に食してみるなどしない限り違いを理解するのは難しいかもしれません。いや、本当によくわかりません。

金桔以外にも呼び名があるのですが、シークワーサーにしてもカラマンシーにしてもいろんな中国語名や台湾語名があり、しかもそれの一部がかぶっていたりします。シークワーサーもカラマンシーも台湾においてはそれほど区別せずに使っていたりするのでしょうか。

肝心の味ですが、かじってみたところそんなに酸味は感じられませんでした。そもそもシークワーサーもカラマンシーもなじみがないので判別は非常に難しいです。

よくわからないので、とりあえず暫定的にシークワーサーと呼ぶことにしました。

柑橘類は種の皮を剥いて湿らせておけば発芽する

過去の経験では、柑橘類の種の発芽率は高いです。果肉を取り、土に埋めておくだけでもよく発芽しますし、過保護に湿らせたキッチンペーパーで包んで室内に置いておいても2週間ぐらいで発芽します。

今回実験したのは冬。台湾とは言えベランダは10℃ぐらいになる日が1シーズンに2回ぐらいあります。それでも平気な気もするのですが、今回はたった一つしかない貴重な種なので過保護に室内で発芽にチャレンジしました。

結果だけ先に言うと成功です。無事に発根し、生長しています。

柑橘類の種の皮は柔らかく、さらにその中に薄皮がある

シークワーサー(仮)の発芽
シークワーサー(仮)の発芽

柑橘類の種は、基本的に果肉を洗い流せばそれでOKです。白っぽい皮が付いたままでも発芽しますし、それを剥いても発芽します。それぞれで発芽率が大きく変わるということも実感としてはありません。ただ、いかんせん今回はたった一つの種。失敗したら精神的ダメージが大きすぎるので過保護に白い皮だけは剥きました。中の半透明な薄皮は残したまま。

しばらく経つとその半透明な薄皮の中に根が出てきたのがわかりました。そしてその翌日には薄皮を自分で破って外に出てきていました。ちゃんと生長すれば自分で皮を破って出てきます。そのため、発芽させるうえでは皮を剥くことよりも、湿気を絶やさないことの方が大切だと思います。

発芽率が下がると考えられる状況

今回の種は発芽に成功しましたが、例えばこの果実が冷凍物だった場合、発芽率は下がっていたでしょう。そもそも種を冷凍しても大丈夫な植物もあるそうなのですが、それは種子がしっかり乾燥したのちに冷凍したものなんだそうです。そのため、果肉が付いた状態の果実を冷凍し、それを解凍して種まきしたところで発芽は期待できないと思っています。

また、海鮮丼ということもあり、何も考えずに食した場合、この果実にも醤油をかけてしまっていた可能性があります。もしかしたらワサビが付着していたかもしれません。特に醤油ですが、塩分が種に浸透してしまうと発芽率に影響が出るのではないかと思っています。梅干しの種が発芽したとかしないとかの話もありますが、我が家の梅干しは発芽したことがありません。やはり塩分に触れる、塩分が浸透することは避けるべきです。当初、何も考えずに醤油をかけていたので、もしかしたらこの果実にも少しかかってしまったかもしれないなと心配していました。結果的に発芽したのでかかっていなかったか、影響なかったかのどちらかですね。

そして、この果実がかなりの未熟果で収穫されていた場合も発芽は見込めなかったでしょう。なにせ外皮が緑でしたので、種がしっかり完成している、しっかりと成熟しているか不安でした。サイズ的には申し分ない感じだったので、きっと種は成熟していたのでしょう。小さい種などは発芽しないかもしれませんね。

最後に

カラマンシーなのかシークワーサーなのかはわかりませんが、せっかく発芽したのでこの金桔はシークワーサーと呼んで育てることにしました。ほかにも我が家のベランダには種から育てているいくつかの柑橘類があります。例えばポンカンやオレンジなどです。柑橘類が増えてなんだかうれしいです。