電動と言えば台湾では電動バイクがかなり普及していますし、「トヨタ」を始めとした日本の車メーカーはハイブリッドや電気自動車などの技術を研究開発し、商品化しています。
化石燃料を使った動力によって駆動する機械が次々に電力駆動になるなか、電気自体もよりクリーンに、太陽光発電などが研究され久しいです。
少し前にアメリカの大手航空機メーカー「ボーイング」と日本の経済産業省が電動航空機の技術協力で合意し、署名式を行ったそうです。 航空業界にも電動の波がやってくるのでしょうか。
世界の航空機メーカー
航空機メーカーといえばアメリカの「ボーイング」やヨーロッパの「エアバス」が有名ですが、世界を見渡すとたくさんの航空機メーカーが存在しますし、日本にも存在します。日本にある三菱重工のMRJ(Mitsubishi Regional Jet)は名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。私は、航空機業界の事はわからずとも、MRJの事を知ったときワクワクしたのを覚えています。
売上高を見るとボーイングとエアバスがダントツで1位と2位になっています。そしてそれ以下もほとんどが欧米の航空会社で占められており、少なくとも現状では欧米が主導している業界と言えます。
電気駆動の乗り物
小さいころ、ミニ四駆でよく遊んだものです。コースを段ボールで自作したりしました。ミニ四駆は単三電池2個がモーターを駆動し、それがタイヤに伝わって模型の車が走るというもので、それはそれは楽しかったです。しかし、当然ながら人間が乗ることはできませんでした。
電気駆動の乗り物でインパクトが強かったのはトヨタのプリウスではないでしょうか。ちょうどエコ意識が高まってきた時期でもあったように思います。プリウスは完全な電気駆動ではなく、ハイブリッドという方式を用いた車でした。当時、電気だけでは不安が残りましたが、ガソリンでも走るハイブリッド方式を採用することで安心感も得られたことを覚えています。
完全な電気駆動といえばテスラ自動車でしょうか。
それから何年も経った今、台湾に住んでみて気が付いたのは電動バイクがとても普及していることです。発電所の方式の話を除けば、電気はガソリンよりもエコであると考えられます。ただ、課題がないわけではありません。
電動バイクの課題
エコでとても良い印象の電動バイクですが、以下のような課題があります。
1.パワー不足
2.バッテリーが短命
3.充電の手間
台湾でいわれるのは主にこれらでしょうか。実際、私も電動バイクを買おうとしましたが、周りから反対されました。その主な理由は、安い電動バイクほどバッテリーが短命で、それを買い替えるとなると高価な買い物になってしまう上、充電の都合上、長距離の移動に適さないというものでした。近所のコンビニへ行く、スーパーへ行く、などの用途に限定すれば、一つの選択肢として電動バイクも良いのかもしれません。
電動化のメリット
航空機やバイクに拘らず、電動化のメリットとはなんなのでしょうか。例えばエコであるとか、燃料が低コストであるとか、そういうメリットもあると思います。航空機の場合はそれら以外にも設計の幅が広がり、座席をより自由に配置することができるようになることで、客席数を増やすことが可能だと考えられているのだとか。
つまるところ長期的に見て、より経済的であり、エコなど地球環境にも配慮し、社会の共感を得られる乗り物へシフトしていると言えそうです。
航空機の電動化
電動航空機というくくりでいえば、すでに多くの電動航空機が開発されているそうです。例えばドイツのLilium Jet。Lilium Jetがすごいのは垂直離着陸(VTOL機、Vertical Take-Off and Landing)をするところ。これ、まさに未来の乗り物で、こういう乗り物が飛び交う未来都市は映画の中で何度も目にしています。
Lilium Jetは2017年4月に2人乗りプロトタイプの無人飛行を成功させており、2019年には有人飛行、2025年には5人乗車可能なエアタクシーとしての商用利用を開始する計画だそうです。
Lilium Jetの最高速度は時速300キロメートルに達し、1回の充電で300キロ以上航続可能なのだとか。そもそもエアタクシーを目的として開発されているようですが、やはり長距離飛行というよりは短距離飛行の方が実現しやすそうですね。動画でLilium Jetが飛ぶ様子を見ましたが、なんとなくドローンを思い出しました。しかし、ドローンよりもエネルギー消費は格段に少ないのだそうです。
日本における航空機の電動化
2018年7月、JAXAが航空機電動化(ECLAIR)コンソーシアムを立ち上げました。これは環境負荷の低減と日本の航空産業の発展を目的としているそうです。
今のところボーイングのような国産の大型旅客機は存在しないようで、小型から中型の航空機で、かつ電気駆動という航空機が将来登場することになるのかもしれません。
ところで、JAXAというと宇宙開発のイメージがありましたが、空に関わることを手広くやっているのですね。
まとめ
航空機産業は欧米が主流ですが、日本もMRJなどの機体を開発し、これからの発展が期待されます。また、世界を見ると電動航空機の開発が進んでおり、それは日本でも同じです。
電動航空機の最大のメリットは経済的であることと環境負荷の低減でしょう。これからの時代に合った形の発展であると感じます。
そのうちここ台湾から日本へ帰る飛行機も電動飛行機になるのかもしれませんね。乗り心地はどうなのでしょうか。