日本人の海外旅行先ランキングで台湾と言えば上位の常連となっている昨今、台湾人は台湾内のどこへ旅行に行っているのかをいろんな人に聞いて回りました。結論を先に言うと東台湾が大人気なんだそうです。
日本からの観光客は台北に集中
もしも海外旅行で台湾へ行くならどの都市にするでしょうか。多くの方が選ぶのは台北ではないかと思います。実際、調べてみると台北にかなり集中しているようです。もちろん、他にも高雄なども人気ですし、台中に行く方もいるでしょうが、やはり台北が圧倒的。台北は情報も豊富で、実は台湾在住の日本人もほぼ台北に集中して住んでいます。
台湾在住日本人の居住先
2021年10月のデータでは、台湾に約15,000人の日本人が住んでいる(永久居留証所持者が約4,000人、留学生が約2,000人)ことになっており、そのうち、約7,000人は台北に住んでいることになっています。近隣の新北市を加えると約9,000人が北部に住んでいる計算になります。
台湾の方のみならず、そういった北部在住の日本人が様々な形で情報発信する北部の魅力。やはり情報量としては北部、特に台北が多いです。
なお、高雄には約1,200人、台中には約1,600人の日本人が住んでいます。
かくいう私も初めて降り立ったのは台北の空港でした。台北は台湾最大の都市であり、かつ台湾の入り口とも言える場所です。桃園空港は実際は台北市ではありませんが、今はMRTやシャトルバスなどが充実していて桃園空港に降り立ってからすぐに台北に行けます。イメージとしては関東で言う成田空港のような立ち位置であると感じます。
台湾の方は東台湾が好き
さて、そんな都市部が集中している北部および西部、南部ですが、実はそういった都市部に住む台湾の方にとって、台湾内の旅行先と言えば中央山脈の向こう側である東台湾が人気なんだそうです。東台湾?ちょっと何があるかわからない方もいると思いますが、台湾の方が好きになる理由があるんです。
東台湾の3県
東台湾と言えば北側から順に宜蘭県(人口約45万人)、花蓮県(人口約33万人)、台東県(人口約22万人)です。
東台湾への行き方
簡単なのは台北駅から台湾鉄路の特急列車に乗ることです。台北駅から宜蘭駅へは約70分(列車による)、花蓮へは約130分、台東へは約250分です。他にも手段がないわけではないですが、日本からの旅行となると特急列車に乗るのが最も簡単だと思います。
なお、他の手段と言うのは例えば車です。西部の方の場合、車で宜蘭県と花蓮県の境にある太魯閣渓谷を通って東台湾に行くことができます。ただ、その道は結構落石などもあって危険と隣り合わせなんだとか。それに冬は山の上のほうで雪が降ったりして通行止めになることもあります。なかなか過酷。
山は越えずとも、台湾を一周するような形で国道が走っているので、そこを通って台湾一周の通過点として東台湾を観光する方も多いです。そういうのを中国語で「環島」と言っています。
東台湾の魅力とは
実際に東台湾へ旅行したことがある方に話を聞いたのですが、東台湾の魅力はきれいな空気と豊かな自然なんだそうです。
開発の進んだ北部、西部、南部とは違い、東台湾には自然が多く残っており、それもあってか空気もきれいなんだとか。普段、息の詰まるような生活をしていたり、ストレスを多くため込んでいる方なんかは特に東台湾に行きたくなる模様。
台湾の言葉で「好山好水」という言葉があります。文字通り「きれいな山、きれいな水」という意味で、東台湾でよく使われる言葉なんだそうです。
興味深い意見もあって、東台湾に行って何をするのかを聞いたら、「何もしない」をするのだそうです。東台湾でアクティビティやアトラクションを楽しむのではなく、ゆったりとした環境で、日ごろの疲れを癒すのだとか。だから行く場所は有名な朝食屋や喫茶店がメインだったりする方もいるようです。遊園地などもあるにはあるので、そういった場所に行く方もいますが、そういったものを求めていない観光客もいるようです。台東の知本という地域を始め、東台湾にはいくつか温泉地もあるので、そういったところも人気のようです。
絶景を見たいなら宜蘭県と花蓮県の県境のあたりにある太魯閣渓谷が人気です。ただ、先ほども書いたように落石の危険があるので、おすすめはできません。過去には日本人の方が巻き込まれて亡くなっています。
高齢になって仕事を退職したら東台湾で暮らしたいという方もちらほら。自然豊かな環境が好みの方にとっては理想的な場所なのかもしれません。実際、有名人でも東台湾に別荘を買ったり、移住したりする方がいます。
最後に
台湾旅行というと台北がクローズアップされがちですが、北部、西部、南部と台湾を旅行して来たら東台湾にも行ってみると良いと思います。
ただ、なかなかすぐに行けないという場合も多いので、そんな時はGoogle Earthで雰囲気だけ味わうというのもありかも?