ベランダでいろんな植物を育てているのですが、その中で一つだけ虫が付かない植物があります。アロマティカスです。放っておいても勝手に大きくなるアロマティカスには虫が嫌がる成分が含まれているのかもしれないと思い、なんとかその成分を抽出して虫除けに使えないかと考えました。
アロマティカスの香り
アロマティカスの香りを初めて嗅いだ時、そのニオイの強さに驚きました。一度嗅げばハーブであることはすぐにわかります。ミントにも近いような、とても強烈なニオイを放っています。
一説によるとアロマティカスはゴキブリ除けにも使われるのだとか。そういえば我が家にアロマティカスが来てからゴキブリを一切見ていません。これから夏に向かって気温が暖かくなりますが、このままゴキブリが出ないことを祈ります。
虫が付かないアロマティカス
我が家のベランダにはいろんな植物がありますが、それぞれにいろんな害虫が付きます。例えばハダニ、カイガラムシ、ハモグリバエ、アザミウマ、ホコリダニ、コナジラミなどを確認しておりますが、なぜかアロマティカスには全く虫が付きません。
アロマティカスには虫を寄せ付けない何かがある?そうでなければゴキブリ除けに使われたりはしないのかもしれません。
アロマティカスの成分を抽出する
いわゆる精油を抽出する方法はいくつかありますが、今回はアルコールを用いた方法と、煮出す方法をやってみました。
アルコールで成分を抽出
アルコールでアロマティカスの葉を漬け込んでみました。アロマティカスのチンキづくりです。
使用したアルコールはアルコール度数53度の高梁酒。漬け込んで2,3日すると、色が緑っぽくなってきます。1週間ぐらいで漬け込み完了としました。
これを200倍ぐらいに薄めてスプレーします。
なお、最初は緑っぽいですが、次第に黄色に変化していきます。
煮出して成分を抽出
お鍋でアロマティカスを煮て成分が抽出できないか挑戦してみました。そもそもアロマティカスはハーブティーにして飲まれることもあるそうで、相性は悪くなさそうです。ただ、アロマティカスのハーブティーは煮出すというより、用意したアロマティカスの葉に熱湯をかけて、しばらく蒸らすことで作られるようで、今回のように煮出して作るものではないようです。いや、煮出した方が成分の抽出という意味では良いのではないかと思っています。
方法は簡単で、アロマティカスの葉を小鍋に入れ、ぐつぐつと煮出すだけ。15分ぐらい煮ていると水が茶色っぽくなってきます。あれ?緑じゃないの?と思いましたが、大体野菜類も長く煮込むと茶色っぽくなっていくので、当然と言えば当然の変化でした。
アロマティカスのハーブティーはこのように煮詰めたりはしないようなので、今回出来上がったものはハーブティーとは違うものになると思います。
ニオイを嗅いでみたのですが、アロマティカス特有のハーブのようなニオイはなく、それこそお茶のようなニオイがしました。不思議なものですね。
冷やしてから植物に噴霧
煮出したアロマティカス溶液を冷やし、それに水道水を入れて大体100倍ぐらいに薄めました。原液をそのまま使っても問題はないのかもしれませんが、最近唐辛子スプレーも木酢液もかなり薄めて使用しているので、右に倣えで薄めてみました。そもそも殺虫効果は期待しておらず、害虫忌避のためのものなので、薄く、頻繁にかけようと思ってそうしました。
煮出したアロマティカス溶液のデメリット・難点
煮出したアロマティカス溶液は、出来立ては澄んだ色をしていたのですが、1日も経つと濁ってきて、3日も経つと表面がカビてきました。
単純な話なのですが、例えばスープを作ったとして、それを3日常温で放置したらカビてもおかしくはありません。
つまり、煮出したアロマティカス溶液は日持ちしないということになります。
その点、アルコール抽出したものは変質するわけでもなく、非常に澄んだ色をしたままです。
虫除けのスプレーを噴霧する時間
内容にかかわらず、スプレーをする時間は夕方と決めています。というのも、スプレーをしてから直射日光に当たると葉が焼けることが多かったからです。それで何度か失敗しました。
その失敗以来、スプレーは直射日光が当たる心配のない夕方以降に行うようにしています。
殺虫なのか忌避なのか
最近殺虫と忌避の概念の違いを意識するようにしています。例えば唐辛子スプレーやニンニクスプレーに期待されるのは殺虫効果よりは忌避効果。だとすればピンポイントで噴霧するよりも、環境全体にスプレーした方が良いのではないかと思うのです。
木酢液も忌避効果にきたいしています。そしてこのアロマティカス溶液も忌避効果に期待です。
なお、殺虫効果を期待しているものの一つに油と洗剤を混ぜた溶液があります。油だか洗剤だかが虫の体内に浸透し、窒息するため、結果として殺虫効果が生まれるというものです。牛乳も乾燥することで同じような効果が期待できるものだと認識しています。これらはピンポイントで虫の体全体にかかるようにかける方が効果が高いように思います。
殺虫なのか忌避なのかで噴霧の仕方を変えることでベランダの害虫対策をしています。
アロマティカス溶液の効果
害虫忌避は定量的にその効果を測ることが非常に難しいです。ただ、ここ数日植物の新芽が虫にやられて縮れることなく、健康な葉が複数出てきているので、なにかしら効果はあったのではないかと思っています。
もっとも、ここ数日はアロマティカス溶液だけではなく、唐辛子ニンニクスプレー、木酢液、オレンジオイルスプレー、油と洗剤のスプレーなどもやっているので、それらが相乗的に作用した結果ではないかと思っています。
アロマティカスでポプリづくり
ここ数日、家の内外で大人のゴキブリを立て続けに目撃し、チンキだけでなくアロマティカスの葉を使ってポプリも作ってみました。
チンキはベランダ用でしたが、ポプリは室内用です。
ポプリは乾燥させた花びらや葉などを使うことが多いようですが、今回は乾燥させず、そのままのフレッシュな葉を使って作りました。なお、茎も小さく切って中に入れましたが、葉の方が香りは強いみたいで、茎は無理していれる必要もないかなと思いました。
葉もそのまま入れるよりも多少傷ついていた方が良いと考え、十字に折り目を付けて、キッチンペーパーで包み、麻紐で吊るしました。
正直、1mも離れたらニオイはしません。作ったばかりだから気が付いていないだけかと思ったのですが、家を出てしばらくして帰ってきてもやはりニオイは感じられませんでした。
でも、やらないよりは良いかなと思い、特に外界に近い窓辺や玄関周り、それからキッチンにいくつか設置しました。
アロマティカスはどんどん大きくなっていくので、適宜切り戻してあげる必要があります。その時に切った葉や枝は挿し木にもできますが、量が多い場合はゴミになってしまいます。それを有効活用すると良いですね。
ポプリはかわいい布袋などに入れたり、ネットに入れたりするともっとかわいくなるようですが、あいにく家に何もなかったのでキッチンペーパーと麻紐で作りました。
ポプリはオイルで香りづけ
ポプリは乾燥した植物にオイルで香りをつけるのが一般的なようです。そのため、今回の私のように生のアロマティカスをキッチンペーパーで包んだだけの手製ポプリでは香りが弱いのかもしれません。
アロマティカスの香りが最も強いのは繊維が傷ついたときのようで、作った後もたまに葉をモミモミしてあげるとまたニオイが強くなりました。ただ、それにも限界があるのではないかと思います。そうなったらアロマオイルなどを垂らしてあげると良いかもしれませんね。
最後に
ベランダには複数の植物が植わっていて、そのすべてをアロマティカス溶液だけで害虫忌避しようとするのは無理があるように思うので、いろんなものを複合的に使用するのが良いのではないかと思います。
成分も一般に言われる唐辛子やニンニク、木酢液だけでなく、植物を育てていると虫が付きにくい植物があるので、それらの葉や茎からエキスを抽出してベランダ全体に時折噴霧してみたりというのは、効果がわかりにくいですが、なかなかに楽しい作業でもあります。
次に目をつけているのはトマトの葉です。トマトの葉ってものすごく強烈なニオイがして、特定の虫が嫌がるニオイなんじゃないかなと思っています。それ以外にクスノキも結構なニオイがするので、それもいずれ使ってみたいです。