CrystalDiskInfoで総書込量が表示されないときの対処方法とTBW

私がメインで使っているデスクトップPCは3年半前に購入したAcerのAspire TC-860というモデルです。以前は2年も使用していると大体HDDが壊れたのですが、SSD搭載のTC-860の状態がどのようになっているか、S.M.A.R.Tのデータおよび使用感などを書き記しておきます。

3年半使用したSSDの状態

3年半使用したSSDは、ちゃんと動作しているようにも感じますが、ソフトで確認しました。

総読込量と総書込量が表示されない

SSDの健康状態(S.M.A.R.T)を確認できるCrystalDiskInfoというソフトで状態を確認したところ、以下のような状態でした。

  • 健康状態:正常
  • 温度:29℃
  • 電源投入回数:2050回
  • 使用時間:10915時間
  • 総読込量(ホスト):0GB
  • 総書込量(ホスト):0GB

今日正常でも明日には壊れる可能性があるのがSSD。そのため「正常」と書かれているのは目安でしかないのですが、それより気になるのは総読込量と総書込量がともに「0」となっていることでした。

この場合、私のPCに搭載されているSSDにCrystalDiskInfoが対応していない可能性が考えられます。

CrystalDiskInfoのバージョンを確認

ソフトが正常に動作していないように感じたときはソフトのバージョンを確認し、自分の持っているバージョンよりも新しいバージョンが出ていないかを確認します。

バージョンを確認する理由は、新しいバージョンでは未対応だったSSDなどにも対応するようになっていたり、不具合が解消されていたりすることがあるからです。

私のPCに入っていたCrystalDiskInfoのバージョンは8.4.2。調べてみたところ、本記事執筆時には8.17.14がリリースされていました。そして8.17.14で確認した結果は以下の通り。

  • 健康状態:正常
  • 温度:30℃
  • 電源投入回数:2050回
  • 使用時間:10915時間
  • 総読込量(ホスト):17717GB
  • 総書込量(ホスト):17277GB
  • 総書込量(NAND):120271GB

最新バージョンにすることで総読込量と総書込量が表示されるようになりました。

なお、総書込量(ホスト)はホストからの書き込み命令の総量で、実際にNANDに書き込まれた量は総書込量(NAND)に表示されるそうです。

S.M.A.R.TとTBWで寿命を算出できる?

SSDにはTBW(Terabytes Written)という指標のがあり、TBWを元に寿命を計算されている方もいるようです。

TBWとは

TBWはJEDEC(半導体技術協会)が定めているもので、ホストからSSDへ書き込まれる最大テラバイト数による耐久性を評価した値を定めなければならないとしています。JEDECはこの耐久性評価の方法としてJESD219でワークロードを、JESD218で条件を規定しています。

英文による説明ではThe maximum number of terabytesと言っているので、Terabytes Writtenで良いようにも思いますが、これをTotal Bytes Writtenと言ったり、Total Byte Writtenと言ったりする人もいるようです。

TBWとS.M.A.R.TでSSDの寿命を確認

例えばTBWが70TBで、総書込量(ホスト)が15TB、使用時間が10,000時間だった場合、TBWに到達するまでの残り時間は約36,666時間(約1,527日)という計算になります。

計算式は『(TBW-総書込量(ホスト))÷(総書込量(ホスト)÷使用時間)=TBWに到達するまでの残り時間』としました。

じゃあ1527日(4年以上)は大丈夫だとはならないのがSSDの難しいところ。単純計算では上記のようになりますが、このようなTBWと総書込量による計算が単純に寿命とイコールではないと思っています。

TBWも目安でしかない

TBWはワークロードによって変化することが考えられます。また、算出するための要件と全く同じ環境で寿命が来るまでPCを使い続けることはほぼないと考えられ、TBWを用いた寿命の計算もあくまでも目安であると言えそうです。

それにそもそもSSDは今日健康でも明日には壊れるかもしれないので、TBWがどうとか、S.M.A.R.Tがどうとかを目安とするのは良いですが、いつ壊れても構わないように常にバックアップなどを取っておくことが肝要であると考えています。

TBWはSSDの定期交換の目安

TBWとS.M.A.R.Tを用いた計算の結果で一喜一憂するのではなく、定期的に交換する場合の目安と考えた方が良いと思います。

HDDにはTBWが定められていないため、定期交換の面でTBWの定められたSSDは目安がある分だけ有利であるとも言えると思います。

TBWが確認できない

使っているSSDによってはメーカーがTBWを公表していないケースがあるようで、私のPCに搭載されているSSDは公表されていないようです。いくら探しても見つかりませんでした。

SSDを作るメーカーによってはJEDECの定めている要件以外の評価方法を用いている場合もあるのかもしれません。

3年半使用したSSDの具合

上記の通り10,000時間を超える使用時間となった我が家のPCに搭載されたSSDですが、動作上で大きな問題は発生していないように思います。今までHDDは2年ぐらいで壊れていたのでそれと比べると今使っているSSDは非常に長持ちです。

最後に

現状、特段大きな問題は発生していない我が家のSSDですが、いつ壊れてもおかしくないのがSSDなので、その準備はしておこうと思います。また、さすがに5年10年も使えば突然故障する可能性も上がると考えられるので、やはり定期的な交換も検討してみようと思います。