台湾とコロナウイルスと私

2020年1月、新型肺炎流行のニュースが世界を駆け巡り、得も言われぬ恐怖に慄いた方も多かったのではないかと思います。また、それがこんなにも長く続くなど予想だにしなかったという方も多いことでしょう。

日本ではコロナ禍と呼ばれるこの新型コロナウイルスの大流行ですが、台湾の対応が当時称賛され、事実、台湾での感染は見事なまでに抑えられてきたと言ってよいと思います。

ただ、そんな台湾でも本記事執筆時で958名の感染確定者が出ており、その中にはブラジルの変異ウイルス、イギリスの変異ウイルス、南アフリカの変異ウイルスに対する感染者も確認されています。

相対的に見れば他国よりも圧倒的に抑えられている状況ではあるものの、それでも完全に感染者が発生していないかと言えばそうではなく、やはりなんらかの経路で台湾にも新型のコロナウイルスは入ってきており、それが人々に恐怖を与えています。

都市部と田舎の温度差

都市部ではどこへ行くにもマスクが当たり前という認識の方も多いですが、田舎に行くとそうでもありません。田舎ではマスクをしない人の方が多いです。マスクなどしなくても大丈夫と考えている人も一定数いる模様。都市在住の人がそういった田舎へ旅行で行って、そこでは”安全だから”とマスクを着けずに闊歩するという状況も観光地では発生しています。

とはいえ、商店やレストランは食事中を除きマスクの着用をお願いするところが多く、マスクを着けていないのは街を歩いている人たちです。行列に並んでいる人を見ても、つけている人は1/3程度。

かねてより外出のたびにマスクをしていた自分にとって、マスクをつけて外出することは苦痛ではありません。むしろ家の中でもつけていたりします。仕事や生活パターン的に高齢者と接する機会の多い私としては、自分が感染することで、それらの大切な人たちに移してしまうリスクを考えてしまいます。高齢者が感染するとかなり厄介なようですから、自分が高齢者ではなくとも、しっかりと予防していきたいところです。

また、高齢者ほどマスク着用を嫌がる傾向もあるように感じます。70年間何もなかったから、今回も平気だ、という自信のようなものを感じます。重症化しやすいのは高齢者なのですが。他人に移さないということであれば、自己責任でしょう。もっとも、「他人に移さない」というのは非常に困難だと思いますが。

台湾に住む日本人とコロナ

新型コロナウイルスのニュースが広まってしばらくしたころ、ある歯医者に行ったら「え?!日本人?!」と、非常にいやそうな対応をされたことがあります。その辺、台湾はストレートです。「日本では新型コロナウイルスが流行っている→この人は日本人→新型コロナウイルスを持っているかもしれない→いやだ!」という図式ですね。それ以来、自分はしばらく日本へ帰っていないことを必ず伝えるようにしています。それでも煙たがられたりしますけども。そりゃ、イヤですよね。この日本人、嘘を言っているかもしれないし。でも言葉がたどたどしいから間違いなく外国人だし。なまりは日本人だし。

自分も不必要に人が集まる場所へは行かないようにしています。通常、旧正月は親戚数十人が集まりますが、今年は中止。あまりに観光客が多そうな有名観光地へは近寄らない。というか、まったくゼロとは言いませんが、スーパーに買い出しに行く以外、ほとんど外で活動しておりません。軽い軟禁状態。いや、これはコロナが流行る前からそんな生活をしていたのですが。主夫ですからね。兼業主夫(いや、それ、ただの家事をする夫(仕事あり)や)。

台湾の病院とコロナウイルス

病院で勤務している方たちは当然対策も万全です。とはいえ、一部、比較的患者数が多い地域では病院の状況も逼迫していると聞きました。現状958人の感染確定者ですが、それが今後さらに増えていけば、病院もパンクするかもしれません。

恐怖や不安と毎日戦う医療戦士に対し、民間レベルでもいろんな差し入れ(例えば弁当屋がお弁当を差し入れたり等)がなされています。そういった心温まるニュースは拡散しやすく、ニュースなどでもたびたび取り上げられています。間違いなく大変ですから。

台湾のワクチン接種は2021年3月から?

2020年末の時点では、台湾で最も早くワクチンが届く時期は2021年3月を予期しているということでした。

そして、少し前に発表されたワクチン入手の予定が以下の通り。

入手経路メーカー入手予定時期
COVAXアストラゼネカ20万回分2月末~3月初旬
COVAXその他456万回分5~6月
直接購入モデルナ505万回分5~6月
直接購入アストラゼネカ1000万回分5~6月
台湾製造台湾製造1000万回分未定

台湾の人口は約2300万人。入手予定のワクチンは2981万回分。本格的な摂取は5~6月以降になるでしょう。さて、台湾在住の外国人にも接種していただけるのか、今後のニュースに注目です。