コロナウイルスが蔓延し始めてからほとんど外出もせず、旅行も控えている方が多いのではないかと思いますが、ここ台湾では最近、積極的に旅行しようという動きもあります。でも、コロナの患者が多い町にはできれば行きたくないなと思うのが人間というもの。ということで、台湾の衛生福利部が発表しているデータをもとに、各都市における人口比の感染割合を主要都市ごとに出してみました。
うちの町は感染者1番だよ!
台湾の方と話していると「うちの町は感染者1番だよ!怖いよ!」と言われます。しかし、その都市が1つではなく、いろんな町の人が同じことを言っています。それって何を根拠に行っているのかと言えば、24h以内の感染確定者数が数日トップだった場合に、自分の町は台湾で一番ひどい町だ、となり、その数日以外もなぜか1位だと思い込んでいる場合がほとんどのようです。
それで、実際に調べました。2022年7月7日現在の台湾本島にある都市に限定したデータです。
- 感染者数1位:新北市 888,2228人(総人口401,5000人、人口比22.12%)
- 感染割合1位:基隆市 22.53%(総人口371,900人、感染者83,807人)
大都市ほど感染者が多い傾向にあるのは当然のこととして、それで「うちの町はナンバーワンだよ!」と言われてもなんか釈然としません。やはり見るべきは人口比の感染割合、つまり、何人に1人感染しているかです。その割合で言えば基隆市が最も高く、22.53%。100人いたら22人感染済みです。4人いたら1人感染済みに近いです。
新北市の場合、確かに純粋な感染者数は台湾一ですし、割合にしても2位です。かなり重症な地域と言えると思います。
夏休みはどこへ行こう
今、台湾では台湾内の旅行は規制されていないようで、みんなバンバン旅行に行き始めています。じゃあ、どこが人気?”なんとなく”人口の多い北部と西部はコロナも多そうだから、そうだ、東部へ行こう!ということなのかはわかりませんが、東部へ行く人も多いようです。
東部と言えば宜蘭県、花蓮県、台東県。この3つの地域は自然も多く、人口も台湾内の東西南北の地域で最も少ない地域です。だからみんな東部へ行くんですね。「東部ならマスクいらない!」みたいな感覚の人も少なくないようで。
それで、実際のところ東部はコロナウイルスの感染者が少ないのかどうかなのですが、実は以下の通りです。
- 宜蘭県:感染者数11/22位、人口比感染割合6/22位(17.43%)※人口454,300人
- 花蓮県:感染者数16/22位、人口比感染割合4/22位(18.85%)※人口333,400人
- 台東県:感染者数18/22位、人口比感染割合10/22位(15.41%)※人口224,500人
確かに純粋な感染者数で言えば多くはない方、むしろ22の地域の中では少ない方と言えるでしょう。でも、そもそも東部は各都市に住む人の数が少ないので、感染者数が少ないのは当然。じゃあその割合はどうなのかというと、むしろ北部や東部と並ぶかそれ以上に多いんです。花蓮に至っては割合で台湾内4位です。10人いたら2人ぐらいは感染済み。
そういう目線で考えたとき、じゃあ感染者数が最低の地域はどこか、感染割合が最低の地域はどこかと言えば、実は以下の2地域。
- 感染者数最低:嘉義市 34,197人(総人口270,300人、人口比12.65%)
- 感染割合最低:雲林県 10,77%(総人口682,100人、感染者73,480人)
西部(中部)。東に行くより西の人口の少ない地域に行った方が良いのではなかろうか。
とはいえ、上記は「感染済み」の人の数であり、「感染済み」の人の割合です。つまり、治った人も含まれます。実際にその街で10人に会って、そのうち2人は感染者の可能性がある!なんて恐れる必要はないでしょう。過去にそれだけ感染者がいましたよという統計上のデータです。
ちなみにそうなると気になるのは直近のデータ。2022年7月7日に発表された前日1日のみのデータによれば、東部地域の新規感染者は以下の通り。
- 宜蘭県:新規感染者数700人(人口比における割合4/22位)
- 花蓮県:新規感染者数591人(人口比における割合2/22位)
- 台東県:新規感染者数387人(人口比における割合3/22位)
これをどうとらえるかは人それぞれになりそうですね。順位は高いです。この日も純粋な人数で言えば、新北市の5,121人/日が一番多かったです。次が高雄の3,442人でした。
最後に
台湾の現在の状況は感染爆発とは言えません。一時期よりもだいぶ少なくなりましたし、小中高は自宅学習の体制がほぼほぼ整いつつあるものの、対面式の授業がほぼ再開されています。そして夏休みに突入した感じです。
旅行に行くなら自分が感染しないこともそうですが、現地の人に感染させないことも大切です。そんな中でも楽しめる方法を考えるといいのではないかと思います。
さて、私はどこへ行きましょう。台東は熱気球が見れるということで結構人気みたいですよ。