南国の花木「ナンバンサイカチ」を発芽させよう!

台湾で時折目にする「阿勒勃」という木。日本名ではナンバンサイカチと呼ばれるこの木の種を入手したので発芽させてみました。

台湾の「阿勒勃」はナンバンサイカチ

ナンバンサイカチ(ゴールデンシャワーツリー)
ナンバンサイカチ(ゴールデンシャワーツリー)

公園などに行くと阿勒勃という木が植わっていて、夏に黄色い花が咲き秋になると大きな豆のサヤができ、その中に種ができます。

日本名では「ナンバンサイカチ」と呼ばれたり、「ゴールデンシャワーツリー」などと呼ばれることもあります。漢字では「南蛮皀莢」と書くようです。

属はCassia(カッシア)属。また、ナンバンサイカチ属とも呼ばれるようです。

種類の多いカッシア属「シャワーツリー」

もともとインスタグラムでピンクアンドホワイト・シャワーツリーについて教えていただき、台湾でも探したのですが、似たような木しか見つからなかった、というところからマメ科探訪は始まりました。このナンバンサイカチ(ゴールデンシャワーツリー)の前に、ホウオウボクの発芽にも挑戦していますが、ホウオウボクは同じマメ科ではありながらも、属は別です。

レインボーシャワーツリー

ハワイのシャワーツリー「レインボーシャワー/Rainbow shower(Cassia × nealiae)」はピンクアンドホワイト・シャワーツリー/Pink and white shower(Cassia javania)とナンバンサイカチ/Golden shower(Cassia fistula)が交配してできた種なんだそうです。

ピンクシャワーツリー

ピンクシャワーツリーはいくつかの種類がピンクシャワーツリーと呼ばれているようで、例えばモモイロナンバンサイカチ(Cassia grandis)やカンラパ・プルック(Cassia bakeriana)、カッシアノドサ/ジャワカシア(Cassia javanica;Cassia nodosa)などがあります。

モモイロナンバンサイカチ

モモイロナンバンサイカチはコーラルシャワーツリー/Coral shower treeとも呼ばれます。

カンラパ・プルック

カンラパ・プルックは台湾でも「花旗木」もしくは「泰國櫻花(タイの桜)」として知られています。

ピンクやゴールデンは俗称の可能性も

そもそも「ピンクの~」ということであれば、このカッシア属にはたくさんのピンクの花をつける植物が属していますので、それらを現地の俗称で「ピンクシャワーツリー」と呼ぶことは容易に想像が付きます。ゴールデンシャワーツリーも同様に、黄色の花をつけるカッシア属の植物も多く存在して、それらが現地の人々から「ゴールデンシャワーツリー」と呼ばれることもあるでしょう。

今回手に入れたのはゴールデンシャワーツリー(ナンバンサイカチ)

台湾はマメ科植物が多いように感じます。気候帯がマメ科植物の生育に適しているのでしょう。そして、今回手に入れたのは台湾のゴールデンシャワーツリー、ナンバンサイカチ(学名:Cassia fistula)だと思われます。

ナンバンサイカチを発芽させた方法

ナンバンサイカチ(ゴールデンシャワーツリー)の種
ナンバンサイカチ(ゴールデンシャワーツリー)の種

ナンバンサイカチの種は長い莢に収まっています。莢の中、種の周りには黒いドロドロした液体が詰まっていて、異臭を放っています。黒い液体は蜜かシロップぐらいの粘度があります。

種を取り出すときは黒い液体を極力触らない

その黒い液体を触らないようにしながら種を取り出し、土に植えました。土は使い古しの培養土です。地表から1cmぐらいのところに埋めました。

発芽の様子はエンドウ豆のよう

ナンバンサイカチ(ゴールデンシャワーツリー)の発芽の様子
ナンバンサイカチ(ゴールデンシャワーツリー)の発芽の様子

マメ科の植物は神秘的な発芽の様子が見られることが多いのですが、ナンバンサイカチの発芽の様子はエンドウ豆のような感じでした。

発芽率は良い

発芽率は高かったです。ただ、我が家の狭いベランダで育てる都合上、1つに間引きました。

ナンバンサイカチの越冬は厳しい

ナンバンサイカチは寒さに弱いです。そのため、ここ台湾で気温が平均18℃前後あっても生長は止まります。日本の場合、沖縄などの緯度の低い地域を除いて自然の状態では越冬が厳しいようです。

そもそも南国では常緑樹扱いのようなのですが、ここ台湾では落葉樹扱いなのだそうです。半落葉性ということのようで、寒くなると落葉するということのようです。

初めての冬後の5月の様子

2023年5月のナンバンサイカチ(ゴールデンシャワーツリー)
2023年5月のナンバンサイカチ(ゴールデンシャワーツリー)

5月になり、昨年に生えてきた葉は黄変し、新しい葉が展開してきました。1年目だったので落葉しないかと思ったら結局したので、やはり台湾でも落葉するようです。

台湾で観賞できる花木

台湾にはナンバンサイカチ以外にもいろんな花木があります。

黃花風鈴木(コガネノウゼン Handroanthus chrysotrichus)、花旗木(カンラパ・プルック Cassia bakeriana)、藍蝴蝶/蝴蝶木(ブルーエルフィン Rotheca myricoides)、台灣欒樹(タイワンモクゲンジ Koelreuteria elegans)、鳳凰樹(ホウオウボク Delonix regia)など、きれいな花がたくさん見れます。

個人的には花旗木(カンラパ・プルック)が好きで、ピンク色の花が一斉に咲く姿は圧巻です。

最後に

ナンバンサイカチの花が咲くのはいつになるのかわかりませんが、発芽には成功しました。これからしっかり育てて、花が咲くところまで育てたいと思っています。また、同じカッシア属の他の木などの栽培もチャンスがあったらやってみたいと思っています。