数年前からスイートバジルをベランダで育てています。年がら年中発芽しているそんなバジルなのですが、日本同様に私の住む台湾でもやはり8ヶ月くらいで枯れてしまいます。
しかし、なにやら寒さで枯れているわけではないようで、多年草として育てるにはもう一つ大切なことがあるようです。
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バジルは多年草、でも日本では一年草

以前から様々な植物の冬越しに挑戦してきています。バジルに関しても冬越しを検討したことがあり、対策について考察したこともありました。
バジルは多年草です。しかし、多年草として育てるのは難しく、実現するにはいくつかのハードルがあります。その一つが冬越しでした。
しかし、冬越しをしたところで夏場に枯れてしまったり、思うように育て続けることができず、結局は一年草として育てていました。
今年、夏場にバジルが枯れ始めました。花も終わり、種も付けた後でした。やっぱり枯れないように育てたい!そんな気持ちが強くなっていました。
バジルが一年草と言われる理由
日本においてバジルが一年草と言われる理由は、バジルが冬の寒さに耐えられないからです。おおむね10℃以下になると、バジルは冬越しできなくなると言われます。
日本は冬に10℃を下回る地域がほとんどです。そのため、日本においてバジルは一年草の扱いになっています。
しかし、私の住む台湾は、特に南部は12月や1月でも比較的暖かく、10℃以下になるのは年に数回、あるかないかです。とはいえ、台湾においてもバジルは一年草として栽培されるのが一般的です。
冬越しは気温の問題
冬越しは気温の問題です。台湾の平地では霜の心配をする必要はありません。じゃあ、冬はどうすれば良いかと言うと、寒くならない場所、おおむね10℃以下にならない場所に置けば良いのですが、台湾は暖かいので、冬でもベランダに放置しています。
我が家のバジルは11月~3月の期間、毎月発芽しました。偶然暖かい日があったなどで、発芽条件をクリアし、偶然環境が整って発芽した可能性も捨てきれませんが、とにかく毎月こぼれ種から発芽していきました。つまり、発芽できるぐらいの気温ではあります。
そのため、少なくとも我が家の環境で、冬に寒さが原因となって枯れるとは考えにくいです。それに、そうやって冬に発芽したバジルが今まさに我が家のベランダにあります。
気温が低すぎて枯れることを防ぐなら、暖かい場所に移動するなどの対策をすることで、気温の条件はクリアできます。
バジルを多年草として育てるメリット
バジルを多年草として育てるメリットはありません。というのも、こぼれ種で簡単に発芽して、簡単に育つからです。毎年適期に種まきして、都度食べるようにすれば、いくらでも利用することができます。そのため、労力を費やしてまでバジルを多年草として育てるメリットはないと考えています。
なお、メリットはないかもしれませんが、バジルを多年草と育てることにロマンは感じます。もっと大きな株にしたい、そんな風に思っています。趣味として挑戦するのは楽しいです。
冬越しがしたいのではなく、多年草としてバジルを育てたい
冬越しは冬を越えることを言うだけで、冬越しができたとしても、我が家のように夏に枯れることがあります。となると、冬越しが必ずしも多年草を複数年育てることとは一致しないということになります。私が実現したいのは冬越しだけではなく、複数年、多年草としてバジルを育てることです。
夏に枯れるのは寒いからではない

冬越しに成功しても、バジルはある時、突然枯れてしまうのです。いや、突然と言うのは語弊があるかもしれません。バジルは非常に育てやすいハーブです。発芽して葉が広がり、大きくなってくると花が咲き、そして種が出来て枯れていきます。これが通常のサイクルです。
夏に枯れることがあるとすればそれは寒さのせいではなく、このサイクルを全うしたことによります。
多年草は毎年花を咲かせる?
多年草と言うのは、季節の変化で枯れるのではなく、毎年花を咲かせ続ける植物のことを言うそうです。
今年の我が家では、バジルは4~6月にかけて花が咲いていました。一年草であれば、花が咲いて種ができ、そして枯れていくというサイクルは当たり前かもしれません。しかし、多年草の場合は、何らかの形で冬を越え、翌年にも花が咲きます。
例えば地上部は枯れても地下茎が生きていて翌年また芽を出すという宿根草のようなタイプもありますし、地上部が枯れずにそのままの形で翌年を迎えるというタイプもあります。過去に栽培した唐辛子なんかは冬越しさせたときは地上部が枯れることはなく、翌年も花が咲きました。
しかし、バジルは冬越しに成功しても、結局ライフサイクルで種ができるところまで行くと枯れていってしまいます。じゃあ、やっぱりバジルは一年草なんじゃないの?!なんて思いもしましたが、開花を抑制することで複数年生きながらえさせることができるようです。
開花させないバジルのライフサイクル

気温以外で多年草だと言われるバジルが枯れる原因として考えられるのは、花を咲かせたことです。「1.発芽」「2.生長」「3.開花」「4.結実(種ができる)」の中で、「3.開花」と「4.結実(種ができる)」を強制的に排除する必要があります。
どの植物も花を咲かせたり、果実を実らせるときにとても大きなエネルギーを使います。そのため、茎や葉などの植物の根幹となる部分を生長させることを目的とする場合、花を摘んだり、果実を成長させずに取ってしまいます。
バジルが6月に枯れるとすれば、この、花を咲かせ、種が採取できる状態まで放置したことが原因だと考えられます。それを防ぐには、開花前に摘芯をします。
摘芯を繰り返して開花させない

バジルに花が咲くのは、子孫を残すためです。それを強制的にできないようにするために摘芯を繰り返します。そうすることでバジルは当面花を付けない状態になるのだとか。それはすなわち、株全体の生長が継続することを意味します。花に使うエネルギー、その後の種子をつけるために使うエネルギーを植物の生長に使えるようになります。そして花後、種子採種後のエネルギー枯渇状態を起こさないようにできるという考え方です。
バジルを複数年栽培し続けたい場合は花が咲かないように摘芯を繰り返します。花が咲いた状態で複数年育てることができるという動画も見ましたが、花を咲かせるのはかなりのエネルギーを消耗することになるので、特に1年目はやはり花を咲かせない方が良いでしょう。理想は花穂が出る前に摘芯してしまうことかなと思います。
最後に
バジルを多年草として育てるには気温の管理と摘芯が大切です。台湾に住んでいるので気温は冬でも問題ないと思いますが、摘芯はあまりしてきませんでした。そこで、先日私も摘芯をしまくりました。今後どうなるか、観察を続けたいと思います。