バラ科植物をベランダで育てて花見をしたいと目論んでいる者です。桜は苗を買いましたが、桃、梅などは種から育てています。そんな桃、梅に続き、今回は杏の種から発芽に成功したのでその記録です。
目次
バラ科植物で花見をしたい
ベランダでバラ科植物を中心に植物を育てています。バラ科は桜をはじめ、桃、梅、りんごなどが含まれる科で、多くが桜に似た花を咲かせます。
つまり、バラ科植物を育てて開花したら、開花時期に花見に近いことができるのではないかと考えました。
それがもう何年も前。今もバラ科植物を増やし続けていて、今回は杏(アプリコット)を種から発芽させることにしました。
杏(アプリコット)を種から発芽させて育てる試み
杏(アプリコット)はバラ科の植物で、ネットで見る限り桜と同じような花が咲きます。これはベランダバラ科コレクションに加えるべきと考えました。
しかし、そもそも私の住む台湾では杏(アプリコット)の苗がほとんど売られていません。最近になってネット通販で販売がスタートした品種もありますが、まだまだ一般的とは言えないようで、事実、ネット掲示板などでは、台湾で杏(アプリコット)は収穫不可とする意見が散見されました。収穫できない果樹を買うのは趣味目的が多く、すなわち流通量も減ってしまいます。
とにもかくにも種から育ててみようと種を探すことにしました。
杏(アプリコット)の種はネット販売のドライフルーツから入手可能
あいにく近所で生の杏(アプリコット)が売られているのを見たことはありません。杏(アプリコット)のドライフルーツはありますが、今まで見たことがあるドライフルーツの杏(アプリコット)はすべて種なしでした。
ネット通販を見てみたところ、種有り杏(アプリコット)のドライフルーツが売られていて、どんなものかわかりませんでしたがとにかく注文してみました。
どんなものかよくわからなかったので、心配だったのは残留農薬とか、衛生管理の面。結論から言うと、それを食べたからと言って、体に変化が起きたと自覚することはありませんでしたが、精密検査などをしたわけでもなく、食べ終わった後も多少不安な気持ちは残ったままでした。
自分は買ってしまったので説得力はありませんが、怪しい商品、販売元が不詳もしくは信用のおける販売者であると確信が持てないときは購入しない方が良いと思います。日本なら安心して買えるものもあるかもしれませんね。
杏(アプリコット)の種の発芽手順
杏(アプリコット)の種を手に入れたら以下の手順で発芽させます。なお、種は果肉の中にあるので、ドライフルーツの場合、周りの果肉を食べて硬い種を取り出します。種がないドライフルーツもあるので、種があるものでないと種は入手できません。
- 湿らせたキッチンペーペーで果肉を取り除いてキレイに洗った硬い種を包み、さらにビニール袋に入れて冷蔵庫で3ヶ月前後寝かす(休眠打破)
- 冷蔵庫から種を取り出し、固い殻を割り、湿らせたキッチンペーパーで包み、常温で乾かないように放置する
基本的にバラ科の桃や梅も同じ方法で発芽させてきました。リンゴやナシは直接土に蒔いても発芽することがありますが、桃や梅など、殻が硬いものに関しては冷蔵庫で休眠打破をすることが多いです。
冷蔵庫による休眠打破は絶対に必要というわけではない
休眠打破は文字通り、休眠している種を起こすための行為で、冷蔵庫を使えば疑似的に冬を経験させることができ、冷蔵庫にしばらくの間保管することで発芽率が高くなるように思います。冷蔵庫の中で発芽する種も多いです。
今回の杏(アプリコット)は冷蔵庫による休眠打破をしなかったものは1つも発芽せず、冷蔵庫で休眠打破を行ったものは3ヶ月後にすでに冷蔵庫の中で発芽しているものが多くありました。
つまり、今回の杏(アプリコット)に関して言えば、冷蔵庫による休眠打破は効果的であったと言えそうです。
ただ、過去に梅の発芽に挑戦した時は冷蔵庫で休眠打破をしなくても、入手してすぐに殻を割り、常温で湿らせておいただけでもしっかり発芽しました。
これらのことから、絶対に必要とは言えないものの、発芽の確率を高めたいなら面倒でも冷蔵庫に3か月ほど保管して、冬を疑似的に経験させた方が発芽の確率は高まると考えています。
冷蔵庫から取り出して殻を割る
冷蔵庫から取り出した種がまだ発根していない場合は、ペンチなどで殻を割っています。こうすることで発芽がしやすくなるように思います。
ペンチで割る時、力を入れすぎると殻だけでなく中身まで割れてしまうことがあるので力加減に注意が必要です。
常温で生長を促す
冷蔵庫から取り出した種は硬い殻を割り、常温で生長を促します。
具体的には湿らせたキッチンペーパーで包み、乾かないようにして常温で放置します。うまくいけば、2~3日で根が伸びてきて、3~7日ぐらいで芽が出てきます。この方法なら冷蔵庫の保管期間が3ヶ月ほどかかりますが、冷蔵庫から取り出してからは1週間程度で発芽します。
この段階で乾燥させすぎてしまうとすぐに枯れてしまうので、水分を切らさないように気を付けましょう。
発芽した杏(アプリコット)は土に植え替える
発芽した種は、土に植え替えます。タイミングは本葉がちゃんと展開してからにすることが多いです。早すぎても枯れやすいですし、遅くても今度は水分管理が難しくなって根がダメになることが多いように思います。そのため本葉が展開してきたら植え替えることが多いです。
「発芽する種」と「発芽しない種」は見分けがつかない
今まで桃や梅の発芽でも経験してきましたが、種には発芽するものとしないものがあります。明らかに種が小さいとか、腐っているとかすれば外観から判断することも可能ですが、見た目はキレイで完全体に見える種でも発芽しないことがあります。
外観から判断することがない以上、面倒でも実際に試してみるしかありません。一つだけに一点集中で発芽に挑戦するより、複数個まとめて発芽に挑戦し、うまく発芽したものを残すのが良いでしょう。
当初、冷蔵庫で休眠打破をする前の種で発芽に挑戦した時、全く発芽しなかったので、もしかしたら今回入手したドライフルーツの種は低温で焼成されたなど、種が生きていない状態だったのかななどと推測していましたが、冷蔵庫で保管していた種は無事に発芽しました。
種まきをしていてうれしい瞬間はやはり発芽した時です。こうやって果物の種が発芽すると、何とも言えないうれしい気持ちになります!
杏を発芽させる条件は?
上記の通り、杏を発芽させるためには一定期間の冷蔵庫保管が有効だと思われます。もしかしたら冷蔵庫保管をしなくても発芽するかもしれませんが、事実、我が家では冷蔵庫保管したものの方が発芽率が圧倒的に良かったです。冷蔵庫保管しなかったものは一切発芽しませんでした。
時期は6月ごろに冷蔵庫に入れ、9月に取り出しました。夏から秋にかけての時期に行いました。
最後に
ベランダのバラ科植物コレクションに杏(アプリコット)も無事に加えることができました。あとはこれを枯らさないようにお世話をつづけていくだけなのですが、果たして花が咲くまで育てられるでしょうか。これからも継続してみます。