2024年6月にドライフルーツの杏を手に入れ、その種を発芽させてベランダで育てていました。成功するかわからなかったので複数の種を発芽させ、複数の苗を育てていたのですが、すべてが順調と言うわけでもなく、むしろ栽培がかなり難しい感じすら漂っています。ここまでの経緯をまとめます。
目次
ベランダで種から杏を栽培するのは難しい?
2024年6月に手に入れたドライフルーツは、同年9月ごろに発芽しました。発芽させた方法は梅や桃と同じく、冷蔵庫で保管する方法を用いました。
当初、なかなか発芽しない種もあり、もしかしたら杏子はなかなか難しいかもと思っていました。でも、その後いくつかの種が発芽したので、それを今までベランダで育て続けていました。
そして発芽から300日経過した今思うのは、杏を種から育てるのは難しいということ。本記事執筆時で2つの株がまだベランダにはありますが、他はすべて枯れました。残り2株もいつ枯れるかと心配しています。
梅や桃の栽培には慣れているつもりだった
これまで種から梅を育てたり、種から桃を育てたりしてきたので、梅や桃の属するバラ科植物の栽培にはある程度慣れているつもりでした。
杏もバラ科植物です。確かに発芽するところまでは梅や桃とそんなに違いません。しかし、複数あった杏のほとんどは枯れてしまい、今残っているのもそんなに元気には見えません。
梅や桃と何が違うのでしょうか。そもそも名前が違うのだから違う植物であることは間違いないのですが、それにしても杏はうまく育ちません。
この一年で杏に起きたこと

梅や桃と同じだろうと高をくくっていた自分でしたが、結果は順調とは言えませんでした。
杏の種を入手してから1年ほど経過したわけですが、すべてではないものの、大半が枯れてしまいました。
害虫、病気、気候が不適切だったなど、いろいろ原因は考えられますが、総じて杏は枯れやすかった印象です。
杏に付いた害虫の被害
10月ごろ、一部の杏には顕著に害虫が付きました。カイガラムシ、ハダニ、それからアザミウマです。害虫が付いた杏は、葉が変形し、あきらかに正常ではなくなっていました。それと時を同じくしていくつかの杏が枯れました。
しかし、カイガラムシやハダニ、アザミウマは確かにやっかいな害虫ではありますが、そんなすぐに植物を枯らすほどの力は無いように思います。徐々に徐々に汁を吸って植物を弱らせる、そんな性質の害虫たちです。植物に寄生してその一週間後に枯らすなんて考えられません。
そのため、害虫が付いているのは確認しましたが、それが直接的な原因となって枯れたとはこの時考えていませんでしたし、今もそうは思っていません。
土中にいる害虫の可能性

植物の葉が突然枯れていく症状が出た場合、土中に害虫がいる可能性があります。ネキリムシやコガネムシの幼虫などです。ネキリムシやコガネムシが根や根元を食害すると、葉が枯れ込んでしまうことがあります。
土中の虫は外から見てもいるかいないかわかりません。薬剤なども販売されているので、薬剤を使うのが無難かとは思うのですが、確実に虫がいるとわかったわけでもなく、今の段階ではまだネキリムシやコガネムシの幼虫対策に薬剤は使用していません。
冬が越えられなかった可能性
梅にしても桃にしても、何も対策せずとも私の住む台湾の冬は問題なく越えています。幼苗の時はさすがにちょっと気を使いましたが、それでもほぼ対策なしで冬越し可能です。
耐寒温度を調べてみると、梅は-15℃、桃は-15~-20℃、杏は-10℃とのことでした。この数値を見る限り、若干杏の方が梅や桃よりも寒さに弱いのかなとも思いますが、ここ台湾の平地で-10℃になることなど皆無です。
それにそもそも-10℃まで耐えられるのは比較的寒さに強い植物であると言えます。温暖な台湾で冬を超えられなかったとは考えにくいです。
日本の場合、地域によっては-10℃以下になります。そういう地域ではもちろん対策が必要かと思います。
生き残った2つの苗

2024年に発芽した分は残り2つのみとなりました。4個発芽していたので、一年生存率は50%程度となりました。そもそもその前にかなりの数発芽に失敗しているので、発芽失敗分も含めるともっと生存率は下がります。
どの植物を育てても同じですが、全く同じ条件なのにもかかわらず元気に育つものもあれば弱弱しいものもあります。強い苗と弱い苗は、種を見ただけではわかりません。
種から杏を育てるコツ

種から植物を育てる場合に共通するコツですが、それは複数の種で挑戦することです。もちろん1つだけで挑戦しても良いですが、弱弱しい苗が出てくることも加味して、複数個種をまくぐらいの気持ちで育て始めた方が良いです。
例えば今回私は種からの杏栽培は難しいと感じました。そもそも全然発芽しなかったときもあります。今回は5個発芽に挑戦して4個は発芽しましたが、そのうち2つが枯れていきました。さらに残った2つもあまり元気とは言えません。次回また挑戦するとするならば、例えば20個発芽に挑戦し、もしもたくさん生き残ればいくつかを処分する形にします。
もっとも、その時その時でうまくいく時も行かないときもあります。例えば以前2022年ごろに発芽させたスモモは最終的に枯れましたし、そんなに強い印象がありませんでしたが、2024年に発芽させたスモモはかなり強い印象で、発芽させた一つ一つが元気に大きく育っています。これは種の違い、個体差かなと考えています。
杏を育てる場合も同様で、あまり良くない種だったとしても複数の種を発芽させることで成功確率を上げることができます。
最後に
台湾に住んでいると杏はなかなか手に入りません。いまだ生の杏が売られているのを見たことはありませんし、ドライフルーツの杏も近所で売られているのを見たことがありません。
となるとネット通販などに頼るしかなくなります。手間をかけて手に入れた杏の種だけに、簡単には枯れさせたくないのですが、今後どうなるでしょうか。
今のところまだいくつかの苗が残っているので、それをこれからも注意深く観察しながら育てていこうと思っています。
