海外に行くと見たことも無いようなフルーツに出会うことがあります。レンブやアテモヤも私にとっては台湾で初めて見るものでしたが、今回出会ったフルーツは台湾の言葉で黃金果。日本語でアビウと呼ばれるフルーツです。
目次
南国フルーツ『アビウ』
今回出会ったフルーツアビウは中国語で「黃金果」と呼ばれる、黄色くて丸い果物です。初めて見たときはグレープフルーツの仲間かと思いました。しかし、グレープフルーツと違って皮にボツボツはなく、むしろツルツルの印象。
頭の中の味覚の引き出しを開けても味が全く想像できません。それに中身が一体どうなっているのかも皆目見当が付きません。まさかバナナみたいにホクホクな感じ?それとも柑橘類のように小さくてジューシーな粒粒が中にたくさん入っているとか?結論を言うとアビウはそのどちらでもなく、寒天質の果肉に大きな種が特徴的な果物でした。
台湾におけるアビウ栽培
台湾におけるアビウ栽培は昔から行われていたものではなく、外国からアビウが持ち込まれ、一部の地域で研究を重ね、今では収穫期に流通させられるようになった、というものです。ちょうど夏の時期になると市場や果物屋などに並びます。でも、一般のスーパーでは売られているのを見たことがありません。そこまでメジャーなフルーツとは言えないようです。
私が購入した時期は夏。夏に台湾の市場で、黄色くてツルツルの果物が売られていたらアビウかもしれません。
ベランダでアビウを育てています
例によって種を見るとどうしても発芽させたくなってしまうため、アビウも種を入手してすぐに発芽に挑戦しました。
種から育てて実ができるのかはわかりませんが、そもそも植物が好きな私としては、発芽させて水やりしながら育てていくだけで楽しいです。もちろん収穫できるようになればもっと嬉しいです。
アビウの発芽
アビウの発芽率はそんなに悪くないらしいのですが、最初にアビウを食べ、種をそのまま土に植え付けたときは発芽しませんでした。
その後、改めて種を入手し、2022年にようやく発芽させることに成功しました。
アビウの種を発芽させる方法
アビウの種は固い殻に包まれていますが、数日水に浸けて置くだけで固い殻が割れて発根することがあります。また、数日浸水したあと、湿らせたキッチンペーパーで包み、ラップで包んで常温に放置するだけでも発芽することがあります。
真夏は気温が高い状況下では発芽率が悪くなるという意見もあるようです。私が種を入手した時期はちょうど7月下旬で、まさに真夏。家の中は冷房があるので、そういう意味では多少気温が外よりは低かったかもしれません。
発根が確認出来たら、種の発根した部位側を半分土に埋めて芽が出てくるのを待ちますが、数日で芽が伸び、可愛い双葉が現れました。
アビウに使った土
今回使った土は一般の培養土です。水はけは良い方が良いと思いますが、特段赤玉土などは使用しませんでした。
アビウの水やり
水やりは土の表面が明らかに乾燥してから与えるようにしています。
土の質、量、そして木の大きさや置かれている環境にもよりますが、我が家の環境では冬は週一回も水やりをしない場合もあります。地植えではなくベランダで鉢植えにしています。
アビウの栽培気温
アビウは南国フルーツで、日本の南西に位置する台湾においても台北などの北部では実が付きにくいと言われます。全くダメと言うことではないのかもしれませんが、台湾では台湾の中でも南部が主要産地となっています。
冬は10℃を下回ると枯れる可能性あるそうですが、私の住む地域は10℃を下回ることが稀なので基本的にベランダに放置しています。とはいえ、冬になると生長が止まっているように見えます。耐寒性は期待しない方が良いです。
アビウの木には毛が生えている
アビウの双葉および枝には発芽当時毛が生えていました。ほぼ同時期に同じアカテツ科のカニステルも発芽に挑戦していて、最初どちらが発芽したのかわからなかったのですが、カニステルは発芽時に毛が生えていませんでした。アビウは毛が生えています。そこを見ればどちらだか判断できます。
アビウの苗が日本でも売られている
アビウの苗は日本でも売られています。北海道でマンゴーを育てられている方がいるくらいなので、日本でも栽培できなくはないのだと思いますが、工夫無しに、例えば東北地方で庭に植えただけでは少なくとも実はできないのではないかと思います。また、そもそも10℃を下回るような場合は枯れる可能性があるそうなので、そのままでは冬を越えられないのではないかと思います。
日本でも南部の一部の島は地域によって台湾とほぼ同じ緯度になります。そのため、そういった島ではアビウの収穫が可能かもしれません。
最後に
アビウは、発芽から一年半も経つと開花することがあるそうです。我が家の環境でどのように育つかはまだわかりませんが、他の植物と一緒に育て続けてみようと思っています。
追記:後日、諸事情によりアビウの木を処分しました。